通信研究会

機関誌 逓信「耀」 シリーズ 「政策を問う」

2014年3月号 第30回 衆議院議員 森山裕先生に聞く!

国民から信頼されている郵便局だから、新しい利活用を考えたい 郵便局ネットワーク、ユニバーサルサービスの維持が基本


 改正郵政民営化法が一昨年の4月27日に成立した時、今後我々が一番大事にしなければならないと思ったことは、郵便局の新たな利活用をどのように考えるか、また、どういうところに活路を見出していくかということだった。これは郵便局の新たな利活用を推進する議員連盟の野田毅会長が強く言われたことで、超高齢化社会が進む中、過疎地ばかりでなく都市部においても郵便局の新たな利活用を考えていかなくてはならないだろうということだった。

 基本的なことは何かというと、郵政事業は長い歴史を持ち、地域の拠点となっている郵便局は、地域住民から最も信頼されている。今、都市、地方を問わず超高齢化社会が進んでおり、地域の信頼を得ている郵便局がどのように対応していくかは非常に大事な問題である。この点を踏まえて、郵便局の新たな利活用をもっとしっかりと考えていこうというのが議連発足の意義であり、目的である。

 地方自治体は法律に基づいて行政を行っている。効率的な行政をするために、国民から信頼されている郵便局が今後何を担っていくか、大事なことだと思っている。

 郵便局の全国ネットワークを活用すれば、まだまだ掘り起こせばやれる仕事はある。また地域の活性化にも繋がる。

 過疎地から金融機関が撤退する中で、国民一人ひとりが口座を持てるかどうかは、生活する上で非常に大事なこと。それを果たせるのは郵便局だけである。農協にしても漁協にしても頑張ってはいるが、頑張りにも限度がある。郵便局があるから全ての国民が口座を持てることになる。ここはなんとしても守り抜かなければならない。

 また、地方にあっては話し相手がいることは大事なことだ、その点、郵便局に行けば局長も職員もいる。これは金銭ではかえられない大事なことだ。郵便局は常にそこにあって地域のために貢献してきているが、ある意味、水や空気みたいな存在で、無くなれば大変だ。