通信研究会

機関誌 逓信「耀」 シリーズ 「政策を問う」

2011年11月号 第27回
郵政改革・金融担当大臣 参議院議員 自見庄三郎先生に聞く!

郵政改革法案成立へ
与野党問わず修正含め建設的な論議を


 (郵政改革法案と郵政民営化法との違いについて)大きな違いは二つある。一つは、明治の創業以来、郵便、郵貯、簡保の三事業一体で効率的に業務、サービスを行っていたのを、民営化法で五分社化してしまったために様々な弊害が出ている。その五分社化の弊害をなくして三事業一体に戻すということだ。 残念なことに、東日本大震災の被災地において分社化の矛盾が露骨に表れている。

 もう一つは、ユニバーサルサービス。過疎地や離島ではどうしたって採算が取れない。しかし、過疎地にいても離島にいても郵便、貯金、保険という生活に不可欠な郵便、金融のユニバーサルサービスを確保していくということだ。仮に郵貯、簡保が完全民営化したら、民営会社は不採算部門の事業を行うだろうか。郵貯、簡保の株式を一〇〇%売ってしまったら、「私の町、村には郵便局は残らないだろう」という声をよく聞く。

 現実に今、農協も漁協も森林組合も統廃合が進み、支所等をどんどん撤退させている。わが町や村にある唯一の金融機関である郵便局がなくなってしまうのではないかと真剣に心配している人がいる。

 東日本大震災の復旧復興の財源に、郵政株の売却益を充てることを政府と与党で決めている。この財政事情が厳しいときに被災地の復旧復興に数兆円のお金を使っていただく。郵政改革法案が通れば株式も売却できるようになるので、ぜひご理解いただいて、一日も早く英知を結集して被災地の方々のためにも、国庫のためにも、国民一人ひとりの住民サービスを考えてきちっと郵政改革法案を通していきたい。