一般社団法人 通信研究会
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小泉さん(元首相)自身、政治家としてのライフワークが郵政民営化だったと思う。金融資本主義がグローバルで動いている中に、日本の国民の財布となっている郵貯と簡保の資金をつぎ込みたいということだったのだろう。
だが、ちょうど折悪しくではなく、この場合は折良くだが、リーマン・ショックが起こり、不安定な市場経済、金融資本主義は誰もが安心できないのだということが分かった。地域社会は疲弊し、労働者の経済格差は広がるばかり。言ってみれば、リーマン・ショックによって、小泉さんがやろうとしたことを修復するチャンスを与えてくれたわけである。ここでもう一度見直し、地域経済の活性化をどう図っていくか、その中に郵政民営化の見直しも位置付けていかなければならない。
郵政民営化見直しに関して一番望むことは、郵便局を地域再生のための金融機関としてきちんと位置付けていくことだ。
国民の健全な貯蓄志向と相まって財投が日本の復興を支えてきたのは事実だが、高齢社会、環境重視社会、エネルギーの大転換の時代に、国民は原子力発電の電気よりも太陽光発電による電気を買いたいと思うかも知れない。そうした中で、例えば郵貯や簡保の資金を地域再生のために投資する。そうなれば国民や利用者が目に見える形で自分たちの選んだものに投資出来ていると実感できるのではないだろうか。
郵貯や簡保が、社会的責任ファンドの一翼を担えるように、地域再生のための金融機関としてきちんと位置付けることが大事なのだ。まずそこからスタートさせることがデフレ脱却にもつながるのではないだろうか。