一般社団法人 通信研究会
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わが国の郵政は、前島密以来百四十年という長い歴史がある。小泉郵政改革が行われる前は国有で郵便・貯金・簡保の三事業を一体で行い、郵政全体では国から財政的な支援を受けずに独立採算で経営してきた。
今度の郵政見直しの方向性は、分かりやすく言えば経営形態については官と民の違いはあるけれども効率的な経営ができるように持ち株会社である日本郵政と郵便事業会社、郵便局会社が特殊会社として合併する。その下にゆうちょ銀行とかんぽ生命会社を位置付ける。
今残念ながら郵政に対する国民の信頼は失われつつある。郵貯残高にしても簡保契約数にしても急激に減っている。昔は郵便局の局員さんと地域の皆さんは本当に仲が良く、地域社会と融合していた。まさに地域密着型の郵便局であった。
国が関与する郵政、郵便局は民間の金融機関とは違う。例えば、地方の郵便局でお客さんが一日に三十人しか来ないとしても、お客さんにしてみればその郵便局はきわめて大きな存在なのである。民間金融機関は採算が合わなければすぐに廃止する。現に過疎地域からどんどん撤退している。
過疎地域等にあっても足を踏ん張って地域の皆さんのニーズに応えていくのが郵便局であり、安心、安全、交流の拠点となっている。この郵政事業を成り立たせるには、三事業一体と同時に国が関与をしていくということだ。そういう裏付けがなければ、一日のお客さんが三十人でもこの郵便局は残すということにはならない。我々は郵政改革関連三法案を何としても今国会で通さなくてはならない。