通信研究会

機関誌 逓信「耀」 シリーズ 「政策を問う」

2010年10月号 第17回 参議院議員 又市征治先生に聞く!

三事業のユニバーサルサービス維持
郵政改革法案を原案のまま成立


 (より良い郵政事業とは)一言で言えば、国民のための郵政三事業であるということ。ユニバーサルサービスを郵便だけでなく、郵貯、簡保についても保証、これに尽きます。住民サービスの拠点である全国津々浦々の郵便局を閉鎖することがないように、また、郵便局の金融窓口を縮小することがないように、財務上の保証をしっかりやり、三事業の実質的連結、一体運営にすることが重要です。東京、大阪などの局舎や土地も安く売り払うのではなく、高度利用してユニバーサルサービスの財源にすべきです。

 財務保証面で、民営会社同士の契約関係、つまり手数料と株の配当という仕組みだけで日本郵政グループが成り立っていくかどうか本当に心配だ。特に郵便事業の不採算性をカバー出来るかどうか詰めておかなければならないところです。

  持株比率が三分の一超という政府案では少なくて心配だが、直ちに売却するわけではなく、経済状況、株式市場の動向を見ながら売却を検討することになろうから、その間に持株比率も再考したい。また、郵便局ネットワークが国民的な資産、文化という点から考えると、株式の一定量を自治体や年金基金という半ば公的な機関に優先売却して保有してもらうことも一考に値します。

 政府としては今のところ郵政改革法案は原案のまま提出すると言っている。我が党としては、先に衆議院に提出した法案を守れと言っていきたい。