一般社団法人 通信研究会
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今回の郵政改革案では持株会社と郵便局会社と郵便事業会社を統合して親会社とし、その傘下に銀行会社と保険会社を置くということだが、非常に理想的な形になれたのではないかと思う。
特に郵便事業は苦戦しているので、どういう知恵と工夫で親会社が利潤性を上げる商品を出していけるかがポイントだ。民営化された企業として今以上に利潤性をどう上げるか、傘下の郵貯、簡保をどう効率的に運営していくかが問われる。それと、ユニバーサルサービスをどう維持するか。80円で与那国島や利尻島まで手紙を出すことができる全国一律のサービスは国民にとっての財産だ。税金を投入しないでユニバーサルサービスを提供するには貯金、保険の安定が必要。そこは国民の皆さんにご理解いただき、なおかつ金融の生態系を壊さないようにやる。
2001年ごろから郵政の問題に関わってきて、国家にとってのパブリックサービスについて考えてきた。離島であろうと山間地であろうと郵便配達の人が手紙を届けに行くという使命感がやはり郵政事業の原点なのだ。
日本の社会はそういう使命感を持った人たちの集まりであるから、豊富な資源がなくても頑張れた。郵便局の皆さんも使命感、パブリック精神を守ってきたからこそ国民から大事にされ、信頼を得ることができたのだ。儲かるとか儲からないとか、そんな目で私は郵政を見ていない。