通信研究会

機関誌 逓信「耀」 シリーズ 「政策を問う」

2010年2月号 第11回 総務省総務大臣顧問 亀井久興先生に聞く!

行政サービスの拠点 郵便局の役割さらに大きく


 平成の大合併といわれる市町村合併が行われ、3000数百あった自治体が今は約1800にまで統廃合されました。現在、日本の国土の半分以上が過疎地ですが、その過疎地域の自治体の合併をやったことで、行政の拠点施設がますます集約され、結果として更に過疎化する地域をつくってしまいました。そういう中でも幸いに各地に郵便局があり、郵便局の果たす役割は今まで以上に大きくなっております。国や自治体の行政サービスがどんどん低下していく中で、それを補完する役割を郵便局がもっと果たしていくべきだとかねてから私は主張してきました。行政の拠点としての役割が「郵政改革の基本方針」の中に盛り込まれたことは大変結構なことです。このことは、国民新党、民主党、社民党で郵政見直しの方向性について論議を始めたときに私が強く主張して盛り込んでもらったものです。

 郵便局で民営化以前のように郵便、貯金、保険サービスが一体的に提供できるようにしなければ利用者の信頼はつなぎとめることはできません。特に各種の金融決済ができる場所が近くにないとなると、利用者にとっては非常に不便です。そういう金融決済サービスをすべての郵便局で提供できるようにしなければなりません。そのことも基本方針の中に盛り込まれています。

 また、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険については、銀行法、保険業法に代わる新たな規制を設けるということが基本方針の中に明記されましたが、具体的な制度設計に入っていく中でそこが一番大きなポイントになってくると思います。