通信研究会

機関誌 逓信「耀」 シリーズ 「政策を問う」

2009年12月号 第10回 衆議院議員 小泉龍司先生に聞く!

郵政改革に基本的に賛同 パブリックを基調とした制度改正を


 10月20日に「郵政改革の基本方針」が閣議決定された。それを見ると、導入部分が郵便局ネットワークのことから入っているのが象徴的だ。西川さん(前日本郵政社長)の時の郵政改革は郵便貯金から入っていた。ゆうちょ銀行が主で、これを立派な企業に育てて、上場することが一番大事だった。他の事業は2番目、3番目という改革だった。だから取り残された部分については、利便性の向上もなく、効率性も上がらないし、公共性も犠牲にされた。基本方針に示されている「郵便局ネットワークを活用し、郵便局で一体的にサービスを行う」というのは正しい方向だと思う。

 4分社化というのは、学者が考えた机上の空論でしかない。地域の小さな郵便局が3社から委託を受けて業務を行うというのはおよそ現実的ではなかった。郵便局で三事業を一体的に利用できるようにすることが現実的な形だ。そうなれば、郵貯も民間銀行を指向するのではなく、公共性の世界に入ってくる。当然そこには、一定の条件を課して民業圧迫にならないように歯止めをすることも必要だろう。

 公共性の観点からの仕事が中心となると、国営、公社に戻ってしまうのではないかとの反論が出てくると思う。ガバナンスの意味では、効率性、透明性の観点から株式会社という形態をとり、世界に例がなくとも、日本人の知恵として公共性を中心に据える。