一般社団法人 通信研究会
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小泉政権下で強引に推し進められた郵政民営・分社化は、郵政事業における国民の権利を著しく侵害、毀損し、そしてこれまで長い歴史のある郵政事業の中で働いてこられた方々を追いまくり、まさに主役不在の改革だったということが明らかになった。
これは最も大事なことだが、分社化ありきの民営化だったということ。その民営会社の中で郵便局会社は受託手数料で成り立っていくことになるが、それでユニバーサルサービスを保障する郵便局ネットワークを保持できるかどうかが当時の郵政国会における大きな論点だった。ところが、民営化後1年経って、それが保持できないことがはっきりとしてきた。
民主党は国民新党との合意のもとに「郵政事業における国民の権利を保障するための改革委員会」を昨年(2008年)立ち上げた。郵政事業の一体的経営が眼目である。特に金融部門については「金融社会権」ということを考えている。これは、公社時代にあった郵貯法、簡保法でいうところの「あまねく、公平に」サービスを提供すること。欧米では大口預金者は大歓迎、小口の人は敬遠するという金融排除が問題になっている。我が国おいても、国の機関としてもっていた金融部門における大切な保障機能を国民から奪い取ろうとしている。「金融社会権」の確保も含め、しっかりと民営・分社化の見直しを進めていきたい。