通信研究会

機関誌 逓信「耀」 インタビュー

2025年2月号 東條吉純 立教大学法学部教授
         総務省情報通信審議会郵政政策部会部会長代理に聞く

「コミュニティ・ハブ」実現へ 郵便局は重要な役割
郵便料金政策、上限設定のもとで弾力的に判断を


――郵便局が地域社会で果たすべき役割、郵便局への要望・期待等についてお聞かせください。

 地域から様々な企業が撤退し、自治体でさえ支所や出張所を閉鎖せざるを得ないようななかで、2万4000の郵便局ネットワークは日本社会にとって宝物のような存在だと思います。このネットワークの維持が法的義務として存在することを前提に考えた場合に、ぜひこのネットワークを活用して、郵便法で明記されている、地域住民の利便性向上のために貢献する方途を国、自治体と連携しながら様々な形で工夫していただくことが大事だと思います。ここには住民もステークホルダーとして当然参加し、外部人材にもノウハウの提供をしていただく等の共創を生み出していただきたいと願っています。お金と人とノウハウがセットになって、初めて様々な物事が動くわけですが,郵便局ネットワーク活用による地域貢献の実現において、お金の部分は、国の責務としてより真剣に考えるべき段階に来ているのではないでしょうか。それ以外の部分については、郵便局がコミュニティ・ハブの中心的存在となって、地域社会の活性化に努める。事業としてしっかりマネタイズするという原則は揺るがしてはいけないと思います。