通信研究会

機関誌 逓信「耀」 インタビュー

2024年11月号 犬童周作全国郵便局長会相談役に聞く

デジタル時代だからこそ高まる 拠点しての郵便局の価値
郵便局の「失われた20年」を取り戻す


――現在、郵政民営化法等改正法の見直しの議論が行われています。今後の方向性や考え方をお聞かせください。

 常々お話しているのは、郵政改革法案を作り始めた頃の議論を蒸し返すつもりはないということです。私はこの20年は郵政にとって、「失われた20年」だと思っているのですが、20年間に失ったものを取り戻し、このデジタル社会にまだ対応出来ていない郵政を時代の流れに合わせるようにするのが今回に議員立法です。
 郵便局を地域のため、住民のため、この国を守るために、デジタル時代の拠点として位置付けることが重要です。ただ、手数料だけでは拠点の維持は困難ですが、地域を守るためだったら財政支援措置をしていく必要があります。今までの財政支援の議論は三事業、ユニバーサルサービスを維持するためのものでしたが、加えて必要なのが地域のこれからの拠点としてのサービスだと思います。郵便局の本来業務に公共サービスを位置付ける、そしてそのための財政支援を検討するということです。