通信研究会

機関誌 逓信「耀」 インタビュー

2024年10月号 自由民主党 郵便局の新たな利活用を推進する議員連盟
          常任幹事・党金融調査会副会長
          参議院議員 西田昌司先生に聞く

郵政民営化は新自由主義の“失敗”の象徴
公共的役割を果たす局長を政治家が支援


――自由民主党「郵便局の新たな利活用を推進する議員連盟」で郵政民営化法改正案の大綱をまとめました。

 郵活連が取りまとめた大綱にはすべて賛成です。本当は元に戻した方がいいのですが、それが難しいということなので。ただ、私はそもそも郵政を民営化・分社化して「何かいいことがあったのか?結局いいことはなかった」と主張しているわけで、その話を整理すべきだと思っています。本来は自ら反省して「郵政民営化・分社化は間違いだった」ということをはっきり言わないとおかしいのです。今の郵政の一番の問題は、郵政民営化が正しいという前提で事業を行っていることなのです。それで失敗を繰り返し、損失が拡大している。その意味では今の経営陣も気の毒ですが、この制度設計、発想自体が間違っていたとして、そこを直さないと郵便局長さんをはじめ現場で頑張っている人たちは救われないと思います。
 結果的に郵便局ネットワークというインフラと、郵便局が貯金や保険で集めたお金というインフラ、という二つのインフラが破壊されてしまっている。それが日本の30年近くの停滞の最大の要因になっていると思います。そこをしっかりと整理するべきだと思っています。