通信研究会

機関誌 逓信「耀」 インタビュー

2023年1月号 福田富一 栃木県知事に聞く

誕生150年、未来に誇れる「新しいとちぎ」へ
行政と郵便局の協働で地域全体の発展に貢献


――「ものづくり県」として産業・技術を強みとして、産業振興を図っているのですね。

 栃木県内で最も高い山である日光白根山は標高2578メートルありますが、県南の渡良瀬遊水地付近では数十メートルしかなく、標高差が大きいという特徴があります。日光連山や那須連山から浸みだす豊かな水は、農業に生かされています。寒暖差があり、かつ水質が良いため、もやしの産出額は日本一。豆腐や湯葉などの大豆加工食品会社も多く立地しています。ビール大麦の生産量も日本一です。
 また、製造業の比率は滋賀県、三重県に次いで全国3位で、典型的なものづくり産業、製造業の県であると言えます。その中で、県としては「自動車産業」「航空宇宙産業」「医療・福祉機器産業」を戦略3産業と位置付け、重点的に支援しています。これに加えて、「AI・IoTロボット技術」「光学技術」「環境・新素材技術」を未来3技術として、これらを強みとして、産業振興を図っています。
 さらに、カーボンニュートラルの流れを受け「とちぎグリーン成長産業振興指針」も策定し、機運醸成、技術開発・製造工程の脱炭素化の支援などの取組を強化しています。
 栃木県は、全国に誇れる産業、技術がたくさんありますので、これらの振興を図りながら、ものづくり県として各産業がバランスよく発展し、豊かな県民生活を築いています。県民所得も全国で上位にランクされていますので、これを持続発展させていきたいと思います。