通信研究会

機関誌 逓信「耀」 インタビュー

2023年11月号 米山高生 総務省情報通信審議会郵政政策部会長
          東京経済大学経営学部教授に聞く

「デジタル社会における郵便局の地域貢献の在り方」について


――情報通信審議会郵政政策部会において、2022年10月14日から「デジタル社会における郵便局の地域貢献の在り方」を議題に審議を進めておられます。自治体ヒアリングや自治体アンケート、日本郵便および日本郵政からのヒアリングなど多角的に審議をされてきましたが、これまでの審議を通してのご感想、また審議のポイントをお聞かせください。

 これまでの審議を通して得られた知見は本当に素晴らしいもので、各地の郵便局が地域の実情に即した様々な活動を行い、極めて大事な役割を果たしていることが改めて分かりました。こうした中で、今後郵便局はどうあるべきか、ICT、ドローンなども含めた広い意味でのデジタル技術も活用しながら、デジタル社会における郵便局の地域貢献の在り方について、これから具体的に詰めていく方向にあります。
 特に日本郵便、郵便局がどう対応していくか、あるいはどう対応できるか、一定の政策支援は必要だと思いますが、企業体としてはあくまでも株式会社ですから、株式会社の出来ることと出来ないことの境はあります。そういったことを委員会としてしっかりと踏まえた上で答申をまとめるお手伝いをしたいと考えています。何でも全てやりなさいということではなく、民営化企業としての限界の中でいかに日本郵便、郵便局が対応出来るのか、またそれを通していかに地域経済、国民経済に貢献して、国民に愛される企業になるかということが重要だと思っています。