通信研究会

機関誌 逓信「耀」 インタビュー

2023年7月号 元総務大臣 衆議院議員 金子恭之先生に聞く

郵便局の全国ネットワークを活用し、地域の課題解決に貢献
利用者に寄り添い、安全・安心な生活に役立つサービスを


――自治体の行政事務の受託などによる地域課題の解決に向けて、総務大臣在任中に北海道白老町を訪問され、地元の郵便局長さんなどと車座対話を行ったとお聞きしております。

 令和3年12月に北海道白老町を訪問し、北海道内で初めて始まった郵便局への行政事務の包括委託の状況について、町内の郵便局長さんなど関係者の皆様と「車座対話」を行いました。その中で、白老町では、支所の統廃合を計画しており、住民票などの各種証明書の交付や、バスの乗車券の販売などの支所の役割を、郵便局が担っていくことにより、住民サービスの向上と自治体の行財政改革の両面で大きなメリットが見込まれる旨のお話を伺いました。また、郵便局長の皆様が防災士資格を取得して地域防災に活躍されていることも伺いました。役場の支所や出張所の統廃合が計画されている地域も、また既に廃止された地域でも、郵便局が行政事務を包括受託することによって、住民サービスを確保できるのではないかと思います。これからの地方のあり方を考える時、郵便局だけの機能ではなく、自治体としての出先の機能を担ってもらうことで、住民サービスの向上につながり、これが地域の一つの方向性だと強く感じました。
 また、千葉県江見駅では、駅と一体となった郵便局を建設し、郵便局が駅の窓口業務の取り扱いを行っています。
 こうした取組は、過疎化や人口減少を抱えている地域において住民生活を支えていくため、日頃から地域の信頼を得ている郵便局が極めて大きな役割を果たすことができる証左であると思います。