通信研究会

機関誌 逓信「耀」 インタビュー

2019年2月号 徳茂雅之・参議院議員に聞く

創業の魂を受け継ぎ 郵便局の価値向上を
高い志を持って 地域社会の発展に尽くす


 郵便局は、明治四年に前島密翁が創業して以来、地域社会の一員としての役割を脈々と引き継いできました。郵政民営化論議の時に全てが競争原理、“官は悪で民は善”という考え方が広がりましたが、民営化から11年が経ち、この間に地方はかなり厳しい状況になってきています。しかし、それぞれの地域の中で暮らしと安全を支えてきている郵便局長さん、社員の皆さんの頑張りによって、郵便局の役割を地域の皆さんが再認識しています。そうしたなかで郵便局は今後どういう役割を果たしていくのか。その一つとして期待されるのが自治体との連携です。自治体も財政が厳しくなるなか、出先機関を縮小したりしています。地域の実情を良く知っている郵便局が自治体と連携しながら、地域のお役に立てることはたくさんあると思います。そういうことを更に深めていくことで地域住民の安心や暮らしを高めていく。その役割を果たせるチャンスは大いにあると思っています。
 また、行政だけではなく、産業、農業分野などとも連携しながら、地域社会の核となることが大事です。郵便局の全国ネットワークを活かして、ある地域の特産品、名産品や観光情報を全国に発信していく、あるいは全国のものを逆に地域の郵便局に集約していく。そういう双方向機能を果たしていくことが大事だと思います。過疎化の進行などで地方が厳しい状況になるなか、地域を支えるラストリゾートとして大きな役割を果たせる可能性は十分あります。
 本年は前島密翁の没後100年を迎えます。横須賀市芦名の浄楽寺では毎年、墓前祭が行われています。前島密翁の創業の魂、創業の志を今の局長の皆さんがしっかりと受け継いでおられ、高い志を持って地域社会のために一生懸命尽くす、何が出来るかを考え行動することが郵便局の一番の強みだと思います。