通信研究会

機関誌 逓信「耀」 インタビュー

2018年11月号 柘植芳文・参議院議員に聞く

人生100年時代にチャレンジする郵便局
地域の核となり、温もりと絆を取り戻す


 ユニバーサルサービスのコストを日本郵政及び日本郵便がすべて負担するのではなく、国が課した責務なのだから国が一定のコスト負担をするのは当然だとかねてから言い続けてきました。自民党もようやく一定のコスト負担をしなくてはいけないと政治的に着目して出来たのが今回の法律(独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律)です。「郵便局ネットワーク支援」という形で、国が郵便局ネットワークに関与したことは、きわめて大きいことです。
 超高齢化社会が到来するなか、いま政府も人生100年構想会議を設けて、様々なことを検討しています。現実に地域の中で多くの高齢の方々が生活しています。これは地方でも都市部でも一緒です。そういう方々が現実に直面している課題、例えば、医療の問題、あるいはガソリン難民や買い物難民など、様々な現象が出ています。少子化対策や高齢化対策を講じていますが、全体的な仕組みをどう変えていくかという姿があまり見えて来ません。現実に生活をする上において不便になっていることに対してどう対応していくか。考えてみればこれをやっていけるセクションは郵便局しかないのです。私は、“人生100年時代にチャレンジする郵便局づくり”をスローガンに掲げています。
 国づくりの基本は“地域”であると思います。地域がいまどんな形になっているかと言いますと、例えば、個人情報保護法が出来て、非常に地域の中が殺伐として、人と人との温もりや絆が薄くなってきています。また、少子高齢化、人口減少等で地域に活力がなくなってきているのです。こうしたなかで、誰が核になってやるかと言えば、郵便局しかないと思っています。