一般社団法人 通信研究会
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総選挙の争点というのは、今回に限らず、国民に内閣の信認を問うということ。つまり、日本国民が安倍内閣総理大臣を信任するか否か。そのことを問うのが解散総選挙の最大の争点なのです。ただ、今回は「北朝鮮問題」と日本社会の「少子高齢化」の二つのことを国民に問うたのです。さらに、2019年に消費税を10%に引き上げるに際し、従来はその大部分を国の借金返済に充てる方針だったものを、大部分を教育(無償化)に充てることを衆院選の争点として強調しました。これについては、選挙戦においてはほとんど議論がされませんでした。北朝鮮問題についての対応では与野党間に根本的な対立があったわけではありません。また、少子高齢化が日本にとって深刻な危機であることに異議を唱える者も政界にはいないわけですから、国会で法律を作れば済むことです。総選挙の争点としては“無理やり”に造ったということでしょう。消費税を8%から10%に引き上げる時に借金返済の部分を減らして教育費に充てることも、そんなに政界で対立がある話ではないのです。ですから、無理に争点を作ったとの印象は免れません。確かに選挙結果は安倍総理が圧勝したことに間違いはないのですが、何となくすっきりせず暗い影が残ったと多くの国民は感じているのではないでしょうか。