通信研究会

機関誌 逓信「耀」 インタビュー

2017年7月号 政治評論家 森田実先生に聞く

世界の経済社会情勢と我が国を取り巻く政治情勢(下)
郵便局の活用が地方創生の近道に


 地方創生の問題については、これまで私がずっと地方を回って見ている限りでは、地方の中核となるのは各市町村、自治体と郵便局です。これらを柱にして立て直すことをやるべきだと思っています。地方で良い優れた人材が集まっている郵便局と地方自治体が団結すべきです。郵便局は民営化の時にはずいぶんと苦労していろいろなものを失いましたが、郵便局には本当に良い人材が集まっています。私は郵便局が好きなものですから、郵便局を頻繁に訪れます。はがきや手紙を自筆で送りますし、荷物もレターパックなどを使います。電子メールも便利なのだけれども、人と人とのつながりの上では、郵便という通信手段が一番良い方法ではないかと思うのです。地方の再建は地方自治体と郵便局です。政府も郵便局がもっと奮い立つような努力をしてもらいたいですね。地方創生の真の担い手は郵便局です。
 確かに民営化の大きな流れの中で郵便局の人たちは苦労されたのですが、変わらざるものは、郵便局が“地方を照らす、地域を照らす太陽”だということです。最澄の言葉にもある“一隅を照らすはこれすなわち国の宝なり”が一番ぴったりと当てはまるのが郵便局だと思いますね。