通信研究会

機関誌 逓信「耀」 インタビュー

2017年1月号 柘植芳文参議院議員・自由民主党副幹事長 新春インタビュー(上)

最大の眼目はユニバーサルサービスの安定的提供
ゆうちょ限度額の28年度中の引上げ等実現へ


 ユニバーサルサービスの問題は最大の眼目として取り組んでいきたいと思います。ユニバーサルサービスのあり様が法律の中で定義されて、日本郵政と日本郵便に課せられたわけですが、どうも政府の方も会社の側も、経営の中でコストを吸収していくのだという受け止め方をしています。
 私は全く違った考え方です。ユニバーサルサービスは本来国が取り組むべき責務を、国が改正法により日本郵政と日本郵便に課したのです。他の民間金融機関も宅配会社も収益が上がらないからやらないのです。旧郵政省が国の機関としてずっとやってきたことを、そのまま延長して担っているわけです。これは極めて大きな政治的眼目です。前の民営化法を見てもらえれば分かりますが、以前はユニバーサルサービスを郵便にしか課していませんでした。今回の改正法では金融を含めた三事業のユニバーサルサービス責務を日本郵政と日本郵便に課したわけです。銀行や宅配会社と一緒の民間企業にユニバーサルサービス責務を課して、サービスを提供しろというのは、それなりの支援を国がしっかりと行うというのが前提だと思います。
 ユニバーサルサービスコストは、言葉を換えれば郵便局のネットワークを維持するためのコストです。そのコストをすべて国に負担してほしいとは言わないけれど、コストの一部は国がしっかりと持つべきです。そして、どういう方法でコストを負担していくかについては、税負担の軽減で見ていく方法、あるいは利用者に一部を負担していただく方法、いろいろな方策があると思うのです。そういう方法を展開していくためには、どうしてもユニバーサルサービスのコスト算定を明確に出してほしいのです。