通信研究会

機関誌 逓信「耀」 インタビュー

2016年1月号 新春特別インタビュー 柘植芳文参議院議員・全特顧問に聞く

上場後も国民の期待にこたえる郵政グループ会社
市場の中で公的使命を果たし、社会に貢献する企業へ


 今回、株式上場したが三つの大きなメリットがあると思っている。一つは、経営としての緊張感をつくり出すということで、きわめて意義があると思う。上場したことによって、株主がしっかりと目を向けてくる。市場に対して責任を取らなくてはいけない。経営の責任体制をどう明確にしていけるか、収益構造を上げていくためにどれだけ全力を挙げて取り組んでいけるかがまさに問われる。
 もう一つは、市場が評価する郵政グループの企業価値は三事業一体であるということだ。
 三つめは、金融二社と日本郵政が上場したことによって、日本郵便が初めてクローズアップされ、この日本郵便が成長戦略を描けるかどうかが課題だと多くのメディア等でも指摘されるようになった。
 今申し上げた三つの視点から考えると、株式上場してまさに郵政グループがどう変わっていくか、いわゆる第三の創業期というならば、そのスタート時点だと思う。どういうビジネスモデルを構築していくか、ここは本当に真剣になって全体像を検証しながらつくっていかないと、グループ会社がバラバラでやっていったら市場の信用を大きく失ってしまう。
 ユニバーサルサービス責務を追いながら、一方で収益を上げていくというのは確かに容易なことではない。世界でも金融ユニバーサルサービスを行っている国は日本の郵便局でしかない。公的使命を果たし、社会貢献をしながら、なおかつ株式会社として市場で高い評価を受けるような会社があってもよいではないか。