通信研究会

機関誌 逓信「耀」 インタビュー

2012年6月号 赤松広隆 前衆議院郵政改革に関する特別委員会委員長に聞く

郵政民営化法等の一部改正法 成立への思い


 ――昨年四月十二日に衆議院郵政改革に関する特別委員会委員長に就任され、ちょうど一年後の今年四月十二日に郵政民営化法等の一部改正案が衆議院本会議で可決、四月二十七日の参議院本会議で可決、成立しました。特別委員会の設立当初は郵政改革法案の成立に向けてご尽力いただいたわけですが、結果的には民営化法の一部改正という形になりました。法案成立に至るまでは様々な折衝、攻防があったと思われます。

赤松先生 郵政民営化法というのは小泉政権でつくられた法律であり、我々が面子にこだわればあくまで郵政改革法案に固執することになる。しかし、郵政民営化、小泉改革は間違いだということを押し出せば押し出すほど、自民党は一層頑なになっていった。確かに行き過ぎた郵政民営化を抜本的に見直すという郵政改革法案はベストではあり、強行採決しても成立させろとの声もあったが、そうもいかなかった。面子にこだわらず、ぎりぎりのところで相手の言い分も聞いてあげるという形をとらないと、にっちもさっちもうまくいかない状況になっていた。

 要は結果が良ければ良い話である。我々の主張は、三事業一体、郵便だけでなく金融についてもユニバーサルサービスを全国の郵便局で提供することを法律で保証することだった。そこのところを守りきれれば、その他については正直言って三社が四社になろうと機能的な問題であり、絶対に譲れないという問題でもない。したがって、新たな法律をつくるのか、既にある法律を修正するのか、それほどこだわる問題ではなくなってきていた。

 最終的に郵政民営化法の修正という形にしてくれたほうが、自民党の理事も党内を説得しやすかったようだ。ともあれ、最終的には自民党内に造反議員もあったが、民・自・公三党の圧倒的多数で成立したことは良かったと思っている。