通信研究会

機関誌 逓信「耀」 インタビュー

2012年1月号 新春特別対談 日本の伝統文化を守る
― 郵政改革、政治経済を語る ―

国民新党最高顧問 綿貫民輔先生 (社)通信研究会会長 亀井久興先生


亀井先生
 小泉元首相が二〇〇一年に政権の座に就いてから非常に極端な政策を強引な手法で実現させようとしました。小泉さんの考え方がすべて間違いだとは申しませんが、特に経済財政、金融分野についてはすべて竹中平蔵氏に丸投げという感じでしたので、私どもはどうしても相容れないところがありました。

綿貫先生
 私が(自民党)郵政事業懇話会会長になった時は、まだ郵政公社として存続しながら将来の方向性を考えようというムードでした。当然そういう方向で行くものだと思っていたところ、「三年以内に民営化する」という強引な話が突然降って湧いたのです。

亀井先生
 小泉さんは自ら進めていった構造改革の本丸が郵政民営化だと位置付けました。逆に私どもから言えば、小泉さんが本丸に位置付けるほどやはり郵政の問題は象徴的な政策だったのだとつくづく思います。郵政の問題だけでなく、行き過ぎた市場原理主義に基づいて日本の良き伝統文化を次々と壊していこうとしました。

綿貫先生
 私も亀井さんも伝統文化を大事にする議員連盟をつくっておりまして、日本の伝統や文化を後世に引き継いでいくことを大切にしています。まさに不易流行、変えるべきものは変える、守るべきものは守るという道筋がなければなりません。ところが小泉さんたちは「改革なくして成長なし」のスローガンの下、すべてをごちゃ混ぜにし、とにかく変えればいいのだとの考え方で改革を推し進めた。その象徴が郵政民営化だったわけです。