通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2024年5月号 木寺  元 明治大学政治経済学部教授

地域への愛着をいかに高めていくかが重要
郵便局と自治体、シティプロモーションで連携を


 地方都市では特に人口減少が言われているので、いかに外部から移住・定住してもらうか、外に向けてプロモーションをする自治体が多いのですが、むしろ、重要なことはインナープロモーションではないだろうかと思っています。まちに住んでいる人に地域への愛着をいかに持ってもらうかということです。移住にはコストがかかり、ハードルが高いので、今住んでいる人たちをいかに大事にし、このまちに住んでもらうのかに心を砕く。シティプロモーションという軸で申し上げるならば、インナープロモーションはこれからますます重要になってくると思っています。定性的なプロジェクト等を紹介しながら実際に住民に参加してもらい、愛着を増してもらう機会を増やす。そういった形のプロモーション活動は必要になってくると思っています。

 【郵便局への期待】
 これまで様々な行政サービスというのは、基本的に公務員、あるいは行政職員、準行政職員がされていたのですが、そうではなく住民が公共的なサービスにある程度携わっていかないと回っていかなくなるでしょう。そうした中にあって、地域の住民や団体がどのような活動をしているのかを良く知っているのは郵便局の皆さんです。地域での動きや活動の情報を吸収するネットワークを張りめぐらせ、住民がどのような活動をしているのかを把握する。そういうことに長けているのが郵便局ではないでしょうか。
 そういう意味でも自治体のシティプロモーションの中に郵便局がうまくジョイントしていけば、地域に関する様々な情報を自治体も吸い上げられるのではないかと期待しています。