通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2024年2月号 松本祐一 多摩大学産官学民連携センター総合研究所 所長・経営情報学部教授

大学生の視点を活かし まちおこしを支援
郵便局の“リアルの場”としての機能を期待


 地域の皆さんにとって、想いや課題はいくらでもあります。それを具体的に解決していくプロセスに落とし込んでいこうとした時に、マネジメントの部分、当然お金をどうするかという問題は避けて通れないのですけれども、なかなかそういうものの意識もノウハウもないというのが地域の様々な組織の実態でしょう。行政は行政でビジネス感覚やコスト意識が薄かったり、逆に企業は儲けなければいけないということを前面に出し過ぎると地域から受け入れてもらえなくなります。そこのバランスのとり方が、大学が間に入ることによってうまくいくパターンが非常に多いのです。大学がハブとなって、企業と行政と市民をつなげ、課題解決を促すプラットフォームを作ることは大きな可能性があると思っています。

 【郵便局への期待】
 日本郵政グループでは「共創プラットフォーム」の実現を目指していますが、地域のいろいろな人たちをつなげていくという郵便局の果たす役割は非常に大きいと考えています。しかも全国2万4000の拠点があって郵便・物流と金融を持っており、郵便局のような地域組織は他にはありません。今後ものすごく可能性があると思いますし、地域で何かの活動をする際にはリアルの場が必要ですので、リアルの場の機能をこれからどういうふうに組み立てていくかが大事だと思います。