通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2023年12月号 西山巨章 大正大学地域創生学部教授

地方創生は地域の魅力発見が第一
昭和の“古き良き”郵便局再生に期待


 私は政府の「地方創生人材支援制度」に基づいて和歌山県の美浜町に派遣されました。和歌山県下でも二番目に小さな町で、人口が当時740人程度、役場職員が90名くらいの規模でした。地方創生統括官という役職でしたが、部下は誰もいないし、何をどうしていいか分からない。最初の2週間はひたすらパソコンに向かい美浜町について調べていましたが、結局パソコンの前に座っていても何も始まらない。自分で町の課題を発見して解決策を考えなければならないことに気がつきました。それからは、役場の外に出掛けていき、町の人たちとコミュニケーションを図りながら地域の課題解決を考えていきました。
 町の人口がどんどん減っていき、主たる産業もない地域は、普通、観光で頑張るものですが、その観光が手付かずになっていたのです。地域振興といっても何から手を付けたらいいかさえわからない状況だったため、役場内にプロジェクトチームを作ったほか、暗中模索で2つのプロジェクトを考えました。

 【郵便局への期待】
 地方では公民館などの公共施設がどんどん廃止されているので、郵便局をもっと活用し、地域の交流の場としての拠点になれば地域にとっても良いことだと思います。
 最近、“昭和回帰”は一つのブームなので、郵便局についても、昭和を再現するようになったら良いのではないですか。古き良き郵便局を再生したうえで、どうしても必要な機能だけを付加していけば郵便局の利活用につながるのではなないでしょうか。ぜひ、そうしてほしいと思います。