通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2023年8月号 飯盛義徳 慶應義塾大学SFC研究所所長・総合政策学部教授

「元気プロジェクト」で地域の課題解決策を提言・実践
郵便局は地域の課題解決の“場”としてとても重要


 私たちは通常、地域の課題解決を図る上で中心に据えている視点があります。一つは“テクノロジーソリューション”という、技術を生かした解決方法です。もう一つは、“コミュニティソリューション”という地域力を生かした課題解決です。この両方がうまく組み合わされていないといけないと考えています。つまり、テクノロジーとコミュニティが共進化していく形をどうやってつくっていくかが大事です。
 地域の課題解決につながるような活動が生まれる仕組みをどうやってつくっていくのか、いわゆる“場づくり”の元気プロジェクトを推進しています。
 北海道鷹栖町の元気プロジェクトは令和4年度からスタートしました。鷹栖町には地域の方々が交流する立派な施設があるのです。そこを活用し、地域の方々がもっと参加していただいて、地域の課題解決につながるような活動が生まれる仕組みをどうやってつくっていくのか、いわゆる“場づくり”の元気プロジェクトを推進しています。

 【郵便局への期待】
 郵便局は地域社会においてとても大事な役割を果たすと期待しています。発信力、信用力があり、誰でも気軽に立ち寄るができ安心できる拠点です。
 最近、感じるのは、地域づくりはまず場づくりから始まるということです。人々が集まって、いろいろな交流を実現し、いろいろな活動が生まれ続けるためには、何らかの場が必要なのです。誰でも気軽に参加できる、地域の中でもアクセスのしやすい、立地条件のいいところが重要です。この条件は、郵便局がすべて満たしていると考えています。