通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2023年7月号 藤岡慎二 産業能率大学経営学部教授

「高校魅力化プロジェクト」を全国に浸透
郵便局は地域の情報伝達として重要


 増田レポート以降、いわゆる安倍政権からの「地方創生戦略」においては、内閣府の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」にまとめられています。「教育」については、第一期にはあまり組み込まれていなかったのですが、第二期に入り注目されるようになりました、高校魅力化プロジェクトも第二期に組み込まれているので、自治体の後押しになっている面はあります。デジタル技術による田園都市国家構想については、確実に人口は減っている中で、いままでは人がいるからこそできたことが、人口減少が原因でできなくなってしまうときに、「便利ではなくなるけれども、最適化はできる」と思っています。デジタルのDX革命が必要であると考えています。

 【郵便局への期待】
 島根県海士町において、最初に高校魅力化プロジェクトを始めた時に、住民の人たちは、何をすればいいのかあまりわからなかったのです。言い換えれば、住民の人たちは高校に興味がなかったわけですが、郵便局の人がそれをよく理解して、説明されたと聞いて、びっくりした記憶があります。郵便局は“伝える媒体”というところがあると思います。郵便局の人たちは、自治体やまちづくりの情報を、コミュニケーションを駆使して伝えていく良い媒体なのではないかと思います。郵便局は地域でそれができる唯一の機関なので、すごく価値があると思っています。