通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2023年5月号 村中 均 常磐大学総合政策学部教授

地方創生は長期的なシナリオを考え、政策の強弱を
郵便局の経営資源を活かし 地域連携機能を期待


 地方創生の旗振り役が変わって、なんとなく停滞感があるように感じています。地方創生施策では、「まち」「ひと」「しごと」で地域を活性化することですが、多くの地域は「まち」も「ひと」も「しごと」も同時に追い求め、総花的に取り組んでしまいがちです。マーケティングを研究している立場から言うと、企業では、自社の強みをより伸ばしていく、弱みは将来的に強くしていくという感じで、選択とか長期的な視点が必要になってきます。
 「まち」「ひと」「しごと」が地域活性化の要因であるとすれば、地域の規模や特性によって取り組みは全く違ってくるはずです。初めに手を付けるもの、次に手を付けるものというように段階的に何が重要なのかを考えて取り組まないと地方創生はうまくいかないと思います。

 【郵便局への期待】
 企業の経営資源は「人」「モノ」「カネ」「情報」です。郵便局は、金融と郵便が二本柱であり、非常に大きなカネと情報といった資源を持っています。
 郵便局は、経営資源である人を含めた物流、情報も持っていますし、お金も扱っているわけですから、地域のある産業の原材料-生産-販売の機能を連携させることや、例えば観光業と飲食業といった産業間を連携させることに大きく貢献できると思います。郵便局がプラットフォーム化し、地域の連携機能の役割を果たすことが今後ますます重要になってくるのではないかと思います。