通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2023年4月号 大森寛文 明星大学経営学部経営学科教授

地域活性化の担い手不足、「関係人口」に期待
住民の社会参加促進に郵便局が中心的役割を


 地方創生でどこに目を付けたらよいのか。私が最も関が心あるのは、「地域活性化の担い手不足」の問題です。国が定期的に調査している各種アンケート結果を見ると、都市・地方に関わらず担い手不足が顕著です。地方に行けば行くほど担い手がいません。さらには、人口減少が進んでいるうえに、都市も地方も人々の付き合いが希薄化しています。実際、地方創生に取り組んでいるのはだれなのかというと、ほぼ役所が中心と言ってよいでしょう。地域住民の側も何とかしなくてはいけないと思っているのでしょうが、「でも、私じゃないよね」という感じでお役所任せになってしまう。そこを何とか是正できないかというのが一番感じるところです。

 【郵便局への期待】
 多摩地域最古のビール復活プロジェクト「TOYODA BEERプロジェクト」実行委員会の事務局長を旧特定郵便局長の方が務めていました。その局長は「地元を何とかしなくてはいけないとの思いで始めた」そうです。地方に行けば行くほど、拠点になるのが郵便局だとしたら、社会活動への参加について先頭に立って人と人とを結びつけていく役割を果たせるのは誰だろうと考えた時に、地元に根ざしている郵便局長の皆さんに中心的な役割を果たしていただくのが最適だと思います。