通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2023年2月号 藤井誠一郎 大東文化大学法学部准教授

地域の課題を自ら解決、地に足の着いた地域づくり
郵便局の地域密着性を活かし、さらなる貢献を


 地方創生で重要となるのは、地域課題を解決するような地域づくり活動を地道に展開してきたかどうかなのではないかと思います。事業を立ち上げて雇用を創出するとか、インフラを整備するというのではなく、自分たちの地域が置かれた現状を直視して、抱えている課題を自らの手で解決しようと考え、地に足の着いた地域づくりをしていくことが大事だと思います。
 一方、自治体の地方創生の取り組みについては、KPI(重要業績評価指標)で評価されますが、評価すること自体が目的になっていないか心配です。数字をクリアしたから良いのではなく、クリアした先の地域自治にいかにたどり着いているかが重要なのです。

 【郵便局への期待】
 地域の拠点の役割を担う、地方自治の一アクターになっていくことが期待されると思います。また、地域運営組織に参加されている事例も既にあります。郵便局では既に「みまもりサービス」というビジネスを展開されていますが、郵便局の皆さんは住民とコミュニケーションをとれるポジションにありますので、地域密着というリソースを活かし、さらなる貢献ができるのではないかと期待しています。
 自治体と郵便局との包括連携協定のもとで、地域の見守り、不審者の発見、危険個所の通報等の他にも、地方自治体や地域団体では直ぐに手が届かないことも郵便局で実践できる可能性があります。