一般社団法人 通信研究会
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アベノミクスで日銀が“異次元の金融緩和”を行って、円安を誘導し、高度経済成長期の旧来型の組み立て加工型の製造業を再興させ、民主党政権で“コンクリートから人へ”というスローガンのもとで減らしていた公共事業を再び増やしたのです。確かに、緊急避難的には超金融緩和政策で一息つくことも必要だったと思うのですが、それを10年続けてしまい、産業構造や職業構造を変えなければいけなかったのに旧来型の産業を地方で生き延びさせてしまった。そういったところに若者は魅力を感じていませんので、地方からどんどん流出してしまう現象が起こったわけです。結局、製造業や建設業に予算を配分する構造になってしまい、地方の職業構造や産業構造が1970年代の姿に戻ってしまった、ということだと思います。大学進学を目指す人は皆、東京に出ていくという高度経済成長期のような構図となり、地方には目もくれなくなってしまったというわけです。
【郵便局への期待】
全国に郵便局ネットワークがあって、商業ベースでは成り立たない地域でもサービスを提供していることは非常に重要な点だと思います。郵便局の拠点性を生かした施策をもっと考えていくべきでしょう。最近、郵便局が注目されたのは、郵便貯金で硬貨の入金手数料を引き上げたことですが、ある意味、これを逆手にとって、郵便局が中心となって地方でキャッシュレス化を進めていく。そして地域の小さな店舗のキャッシュレス化をサポートしていく。地方のIT化の推進役として期待したいと思います。