通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2022年9月号 森本祥一 専修大学経営学部教授

大学生の力を活かした集落活性化事業
「関係人口」を増やす取り組みが大事


 地方創生に関して、現場を見ていて思うのは、今すぐにでも解決しなければいけないケースが結構あるということです。(大学生の力を活かした集落活性化事業の公募で)新潟県内のある地域に入った時も、政策とかアカデミック的な視点で研究しようとしたのですが、その成果が出るのは何年も先になってしまう。速効性のあることをしないと、今すぐ無くなってしまう地域があると実感しました。直近で困っている人々を目の当たりにしたときに、いったい自分たちに何ができるのかを考えました。そこで私たちは政策的なことを考えるよりも、自分たちが「関係人口」として関わることによって、現場の問題をその場で一緒に解決するというアプローチを取ってきました。現場で問題を解決しつつ、政策レベルでの取り組みも行うという、トップダウンとボトムアップの両方のアプローチが必要なのだと思います。

 【郵便局への期待】
 日本の郵便は世界でトップレベルの品質を誇っています。毛細血管のように、どのような地域にも届けるという品質の高いサービスをお持ちです。また、どこにでも郵便局があるという安心感があります。目の届かないご家庭にまで、ひとつひとつ目が通るというか、地域の方々を見守る重要な役割を担ってもらいたいと思うのです。