通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2022年6月号 牧田 実 福島大学人間発達文化学類教授

“地方創生は「多様性と包摂」、若者支援が先決
郵便局に休憩スペース、「まちの駅」化を期待


 地域で暮らしている人に共通する生活の条件として、私は四つあると考えています。一つは「経済的基盤」、二つめは「物的基盤」、三つめは「文化的・社会的基盤」、そして四つめはやや特殊的な位置づけですが、行政と関わる「制度的基盤」です。地域の置かれた条件や歴史的経緯によって、どこが弱いのか、どこに手を入れなくてはいけないのかが変わってくるわけですが、基本的には人が暮らしていくことはこうした基盤によって成り立っていると思うのです。そういったものを維持し、向上せしめるような住民の営みを「まちづくり」と呼んでいます。まちづくりの主体は基本的には住民です。その担い手としては、組織的には地縁型組織とテーマ型組織があり、そこにうまく行政が絡んでいく。そして協働していくことが大事であると考えます。

 【郵便局への期待】
 郵便局は日本にとって強力な社会資源であり、生活インフラとして大きな価値を持っています。かつての国営事業としての信頼感があり、今も多くの国民、とりわけ高齢者からの信頼は厚いと思います。郵便局は過疎地域や離島を含め全国津々浦々にくまなく配置されているわけですから、これを活かさない手はありません。
 そこで提案したいのは「郵便局全局まちの駅化プロジェクト」です。「まちの駅」は、休憩スペース・トイレ、観光案内を備えた場で、既存の施設を活用し、どこにでもつくれます。郵便局は全国ネットワークになっていますので、そこからいろいろな情報発信もできます。そうしたコミュニティ施設としての役割を期待します。実際、郵便局ならばそれができるはずです。