通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2021年12月号 恩田守雄 島根県立大学大学院北東アジア開発研究科・
               地域政策学部非常勤講師

住民の住民による住民のための地域づくり
互助社会を構築、郵便局を共助の拠点に


 地域づくりの理念・哲学として、私が提唱していることは「住民の住民による住民のための地域づくり」です。「住民の」は、わがまち意識。そこに住んでいる人が自分たちのまちだという所有意識がないと地域づくりは始まりません。行政の人たちに任せっきりでは駄目なのです。「住民による」は、主体関係を示すものです。いったい誰が地域づくりの主役なのか。役所・役場の職員は必ずしも地元出身とは限りませんので、そこに住んでいる住民が主体となって地域を作り上げていくことが大切です。「住民のための」は、客体関係を示すものです。対象はいったい誰なのか、そこに住んでいる住民なのです。観光による外向きの地域づくりとも関係してくるのですが、目が外に向いた地域づくりはいかがなものかと言いたいのです。ですから、共助の地域づくりに集約できるわけですが、共助だけでは無理ですから、公助、自助、あるいは市場のメカニズムをうまく使った三位一体の地域づくりが必要になってきます。

(郵便局への期待について)
 郵便局の施設をカフェサロンとか現代版寄合の場として活用するというのはいかがでしょう。結節機関という言葉があります。行政機関、企業組織、娯楽施設など都市部は結節機関が多いですが、地方部は結節機関が少ないのです。ですから、郵便局を共助の拠点として位置づけて活用する。コロナ禍でのオンライン相談等に乗ることも考えられます。郵便、金融に加えた新たな事業として、人が集まれるような場としての郵便局の利活用を考えてみることもよいのではないでしょうか。
 生活に欠かせない存在としての郵便局を強調するために「衣・食・住・郵」とアピールされてはどうでしょう。法律の制約等もあるかもしれませんが、生活に欠かせない存在として、将来的には総合生活支援企業へと脱皮していくことも一つの活路かなと思います。人と人を繋ぐことは大切なことです。郵便局はそういう活動を担っている重要な機関であると思います。