通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2021年11月号 春日俊雄 新潟産業大学附属柏崎研究所所長

地域の維持・持続に繋がる「小さな観光づくり」
地域情報の結節点として郵便局の機能に期待


 地域づくりの役割は、大きく二つあると思っています。一つは、ふるさとで生きる価値観をいかにして皆で創るかということ。漠然と住むのではなく、自分がこの地に住む意味を含めて、価値観をしっかり持てているかどうかがとても大事です。そして、外に開かれたふるさとをつくること。コロナ禍で多くの人が実感したと思うのですが、距離が離れていてもオンラインで、お互いに映像を見ながらやりとりができる。そういう時代になってきていますので、外に開かれた地域をつくっていくことはとても大事なことだと思っています。
 もう一つは、ふるさと地域の内外で共に支え合うことです。市場経済が暴走したり、偏ったりすることに対して、自分たちがストレスをあまり受けないように、お互いに共感する人と向き合って暮らしていく。お互いに支え合いながら日々の充足感や幸せ感を得たりしていくことが大事だと思っています。

(郵便局への期待について)
 郵便局には地域インフォーメーションの結節点になってほしいと期待しています。今まで行政が担っていた地域情報の一端を郵便局に担っていただき、地域外の人たちも郵便局に行くとその地域の情報が得られる。そんな機能を担っていただければと思います。さらに、郵便局のフロアの一角を地域サロンにして、地域の人たちが集い、椅子に腰かけながら談話できるようなことができればいいですね。
 郵便局をとても頼りにしています。安価な値段で、全国津々浦々に郵便物を配達していただける。全国どこからでも届けていただける。生活インフラとしての役割はますます大事になると思っています。