通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2020年10月号 鈴木輝隆 江戸川大学名誉教授

地域の資源や情報をデザインし価値を創造
郵便局ブランドを高めるための実験に期待


 地域の様々な資源や情報を多くの人から共感を得るものにするには、デザインがものすごく重要なのです。地域にデザインをプラスすることにより、好感度の高いイメージを作り出し、地域のブランド化を図ることで地域経済を創出するということです。

 というのも人間というのはどうしてもイメージにとらわれてしまいます。人の脳には思考の節約をする機能があり、一瞬にして良いか悪いかを判断してしまうのです。

 最近、郵便局の皆さんが「郵便局ブランド」と言い始めていますが、イメージづくりはとても重要なことです。では、郵便局ブランドをどう高めて、活かしていくかですが、そこにデザインが重要になってくるのです。

 郵便局は信用もありますし、全国ネットワークもあります。「希望最大化戦略」をとって、郵便局の今の業務以外に新しいことを考えていかないと次の時代は創れないでしょう。郵便局の存在感、ブランド価値をどう作り出せるかが問われているのだと思います。今までの画一グローバル化、「選択と集中」の時代から「多様化と分散」の時代になってきました。そういう生き方を郵便局はやっていくべきです。いくつかのモデルをつくって、あきらめずにやっていけば新しい時代に合った郵便局が出来ると思います。そのためには、失敗を恐れずにモデルづくりのための様々な実験にチャレンジしていかなければなりません。