通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2020年5月号 飯田泰之 明治大学政治経済学部准教授

「緩さ」「寛容さ」が地域再生のポイント
地方の郵便局がエリアの「核」に


 地域再生、中心市街地というと近年ではコンパクトシティというコンセプトが流行しています。このコンパクト化は、ともすると、規格整備をして新しいビルを建てるという話になってしまいがちです。結果、全国チェーン以外は入れなかったりする。駅前にはそうしたランドマークは必要かもしれません。しかし、その周りにある雑多な街をどうやって育ててていくかが重要です。街づくりは、ガーデニングに例えられます。都市を理路整然ときれいにすると魅力があるかというと、そういう感じではないのです。人間は工業製品ではないので、効率的ではないほうが逆に心地よいことがある。そうした街づくりを担っていくグループがあり、それを行政や比較的高齢の方が認めていくという、そうした「緩さ」や「寛容さ」とかが地域再生のポイントですし、そういうのがうまく出来ている、またはそういうキーパーソンが存在している地域は、楽しい街が出来ています。