通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2020年1月号 後藤春彦 早稲田大学大学院創造理工学研究科教授

“テーマ縁コミュニティ”が地域再生の主役に
郵便局の持つ潜在的能力の高さに期待


 「地域」という表現も、まだ土地との対応関係で成り立っている「地縁」的な広がりのようにも思うのですが、コミュニティという言い方をすると“地縁コミュニティ”だけではなく、今“テーマ縁コミュニティ”、同じ地域に暮らしていなくても、同じ価値観を持った人が、たとえばSNSなどで繋がっているタイプのコミュニティも生まれてきています。それは「地域」という表現では括れなくなっているのです。それが、これからの重要な地域再生の担い手、あるいはまちづくりのプレーヤーになっていくのではないでしょうか。

(人口減少社会のなかで地域の郵便局が果たす役割について)
 非常に期待するところが大きいと思っています。昔、英国・スコットランドのまちづくりを研究していたことがありますが、どんな田舎に行っても、まちづくりの拠点になっていたのは郵便局でした。スコットランドの田舎の郵便局はそれぞれ個性的で、そこの暮らしを支えながら皆さんの拠点・居場所になっているのです。日本の郵便局はコーポレートアイデンティティ(企業文化の特性や独自性)がしっかりしているので、どこも同じデザインになっています。もちろん、スコットランドでもポストのデザインは統一されているのですが、建物には地域性があふれています。何も用がなくても、そこに住民が集まる。その居場所には必ず、誰か見守っていてくれる人が居る。そんな機能を持った郵便局が全国津々浦々に配置されている状況を考えると、郵便局の持っているポテンシャルは非常に大きいものがあると思っています。