通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2018年12月号  東條吉純・立教大学法学部教授

「公権力の行使」概念の柔軟な解釈により自治体との連携拡大を
郵便局への期待を実現する環境整備が重要


 増田レポートの人口30万人程度の小さな拠点づくり、という発想は理解できるのですが、気になるのは「選択と集中」による地方の選別という論理です。規模の小さな拠点都市を若者に魅力ある地域、人口集積拠点として作るという発想は構いませんが、それ以上のことは何も書いてないのです。「選択と集中」との関係で言えば、選別から漏れる地域はどうするのか。我々が(総務省情報通信審議会の)郵便局活性化委員会において常に意識したのが、山間へき地、限界集落と呼ばれるような過疎地域のことです。その時に、最後の砦としての郵便局の役割という話になるのですが、さて、限界集落化しそうな地域をどう処遇するかという話は、増田レポートには一切ありません。最後まできちんと地域住民の生活をサポートするために、行政・民間を問わずさまざまな資源を総動員する。このサポートにおいて、郵便局に期待される役割は非常大きい。
 (自治体と郵便局との連携施策について、郵便局活性化委員会の報告書に)可能な限り書き込んだと思いますが、ただ、やはり自治部局には自治部局の守らなければならない一線が当然あって、それ自体としては大変よく分かります。けれども総務大臣のもともとの諮問の意図を考えると、あともう一歩踏み込めれば良かったというのが委員としての私の反省点です。例えば、「公権力の行使」についての記述部分が報告書の最後のところでありますけれども、「公権力の行使」に該当しない業務でしか連携はできないという表現が精いっぱいでした。ただ、この「公権力の行使」概念を、地方のさまざまな実態に即して、どういうふうに捉え直すのか、ICTの活用によって、もう少し、そこを柔軟に解釈する余地はないのか、という話になります。