通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2018年4月号  中川雅之・日本大学経済学部教授

郵便局は地域を支える拠点と交流の「場」に


 基本的な流れとして、これからの産業構造は第三次産業を中心にして成長していくものにならざるを得ないでしょう。第三次産業は物凄く都市的なサービスなので、都市に人が集まってくるような現象を反転させようと見ても無理だと思うので、それを前提にいろいろな事を考えた方がいいと思っています。東京に人が集まることについても、あまり無理な抑え込みはしないほうがいいと思います。基本的に地方は地方のブロック拠点都市との関係で稼ぎ方を考えるとか、生活の利便性を向上させていく。その一方で、守り型の地域構想だけではなくて、地域独自の稼ぎ方も考えなければいけない。そのためには、地域の資源を生かして、その地域でなければできないような産業活動をブランド化していくことが重要でしょう。
 郵便局には、モノとか情報を家庭に届けてくれるという機能があるのと、すべての地域に郵便局という「場」があるという二つの側面があるように思います。郵便局は全国津々浦々どのような地域にもあり公共的な空間ですので、コミュニティ―活動だけでなく、産業活動、経済活動など地域の新しい産業を創出したり、今の地域の経済活動について相談したり、ネットワーク化するような、そういう「場」として郵便局の「場」は活用できるのではないかと思います。