通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2018年1月号 秋田典子・千葉大学大学院園芸学研究科准教授に聞く

公務員増強が地域再生の“切り札”
信頼感の強い郵便局の役割重要


 自治体の大きさや人口にかかわらず、地方分権が進むなかで地方自治体のやるべきことは多岐にわたり増加しています。小規模の自治体に行けば行くほど、一人の職員がやらなければならないことがあまりにも多くて、その結果、どうしても一つの業務に対する質が下がってしまうという状況を痛感しています。あるいは、業務の質を上げようとすると疲弊するしかないのが現状です。今までは公務員の数を減らす一方だったのですが、やはり、産業を興すこと以上に、公務員を増やすことが地方創生に一番効果があるのではないかということを、実際に地方自治体を見てきて痛感しました。
 現在の人口をすべての指標にしようとする風潮は、問題があると思います。増田レポートもそうですが、すべての基準を人口で計ろうとしています。しかし、人口ではない別の指標、それは例えばその地域の魅力をいかに伝えるかということも含まれますが、人の数だけでは測れないものがたくさんあります。それをすべて人の数だけで計ろうとすること自体が、今の地方の疲弊感にも繋がっていると思うのです。人口の呪縛から逃れることが、増田レポートの恐怖感を克服するための大事な一歩になると思っています。