通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2017年10月号 根本祐二・東洋大学経済学部教授に聞く

人口減少社会では「公民連携」が有効
郵便局の機能は地域経済に必須


 人口減少社会をどう生き抜いていくかという課題は、まず国全体で考えるべきことなのですけれど、国は地方に対してはあまりモノを言わないということになっていて、その結果、地方が独自に考える地方創生という話になります。ポイントは二つあります。一つは「どこで(人口を)減らすかを考える」ということです。地方創生とは減らすところをしっかり作る戦略です。ところが、各自治体の総合戦略を見ても、人口を維持するとか、増やすとかは書いてあるのですが、ここを積極的に減らしますとは書いていない。人が住まないところはスッパリ住まないようにして、その代わりその人たちがどこかに移転する、要は人が集まって住んでもらうことが大事。減少の戦略をどこかが負担することが大事です。
 もう一つが「固定費を変動費に変える」こと。公共インフラも含めて、常に公共サービスには費用がかかるのです。費用をかけないでやるのは難しいですが、費用のかけ方を固定費ではなくて変動費でかけるようにすれば対策になる。人口が減ったら費用も減るような手段をとってくださいということなのです。
  地域コミュニティや少し大きめの集落には、役場の出張所や支所とか、公民館や集会所とか、もちろん学校もあります。しかし、これらの施設が重複しています。これを改善するために、郵便局は民間の施設であるけれども、地域コミュニティに比較的しっかりあるものの最たるものなので、その機能を上手に生かせないかと考えています。