通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2017年7月号 鬼頭宏・静岡県立大学学長に聞く(上)

人口増減は時代の要請、長期ビジョンで対応


 時代によって人がどこに住むかは特徴がありました。つまり、人が住む場所というのは、その時代の文明の在り方によって決まってくるものなのです。どういう資源を使って、どういう土地を利用して、どういう生活をするかで人の住む場所は決まっていたのではないかと思うのです。結論から言って、そこまで突き詰めて考えないとダメだと思います。将来どんな形の産業で、どんな生活様式で、どういう土地を利用していくのかを。たとえば、2050年あたりを念頭に置いて、今の若い人が50代、60代でまだ働き盛りというあたりをターゲットにして、どんな社会へと今、動きつつあるかを考える。あるいは、どうしたいのかを考えたうえで、そうだったらどういう国土形成をしたらいいのかを考えることが必要だと思います。今、とにかく、どうなるかわからない、やみくもに、とにかく若い人をそこに残そうとか、何か働く場所を作ろう、ということでしかやっていません。全体像を見渡して、日本のこれからの文明社会はどういう社会なのか、ということを頭の中で描いたうえで整理する。見捨てるのはいけないが、自然に任せるところと、意図的に育てるところと、お金をつぎ込むところとを“仕分け”をしていかないと、資源の無駄遣いになるだろうと思います。