通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2017年5月号 ジャーナリスト 村田泰夫氏に聞く

住民による住民のための地方創生


 国土交通省が昨年9月に過疎地の集落の現状調査を実施しているのですが、それによると、(増田レポートで)消滅すると言われていた集落がどっこい残っていて、しかも、50年後も存続するだろうという結果がでているのです。2010年に調査対象となった全国約6万4千の集落のうち、2015年までに消滅したのは、147集落にとどまっています。5年間で0・23%しか減っていません。さらに、50年後も現状とほぼ変わらない約6万3千の集落が維持されるだろうとの調査も合わせて発表しているのです。また、2010年に市町村の役場が10年以内に消滅するであろうと見ていた集落は6万4千のうち452あったそうです。ところが、実際に消滅したのは、その見込みの1割以下の41集落にすぎなかったそうです。つまり、消滅するであろうと見られていた集落の大半が今も残っていることになります。その力になっているのはネットワークであって、その中心となるところには郵便局や小学校、バス停や駅、商店があるのです。そうした行政サービス面で活気ある拠点集落があれば、少し離れた辺境の集落にしても、こころ豊かに暮らせる環境が整うわけです。傍から見てもう消滅するだろうと思っていても、ほとんど9割近くは残っていて、実際に消滅したのは1割程度だった事実に我々はもっと目を向けるべきだと思うのです。