通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2017年5月号 沼尾波子・東洋大学国際学部教授に聞く(下)

郵便局ネットワークを生かし、参加型のサービス開拓を


 最近、郵便局の通販というか、特産品等のカタログで注文すると商品を配達してくれるサービスがありますが、あれを単なるカタログ通販だけにとどめるのではなく、もう少し参加型というか、生産者との関係が見えるようにリメークしてほしいと思っています。確かに、全国のネットワークを有しているのでローカルな地域の梅干しとかジュースとか、そういう商品がカタログに載っている意味での情報収集力はあると思います。ただ、商品と地域とのつながり方をもう少し考えてみると面白いのではないでしょうか。
 今年、共同通信社の地域再生大賞で準大賞に選ばれたのが、「東北食べる通信」を発行している東北開墾という会社です。「食べる通信」のシステム自体、全国に移出されているのですが、ある生産者さんがこういう思いで、こういうふうにつくったという情報を雑誌にして、情報誌と一緒に商品サンプルが送られてくる。気に入ったら連絡をして商品を購入できるという仕組みです。情報誌が定期的に送られてくることで、生産者と消費者をうまくつないでいます。参加の仕方が今、すごく多様化しています。そういう参加型カタログ通販のようなものをぜひ郵便局でも考えられたらよいのではないでしょうか。