通信研究会

通信研究会のご案内

事業計画

平成28年度事業計画

 今期は、前期に引き続き郵政事業及び電気通信、放送の分野におけるさまざまな施策、情報等について広く国民を啓蒙していきたい。
 政府は少子高齢化、人口減少時代を迎え、地域再生を図るため、自治体に対し地域経済の活性化、地域における雇用機会の創出等を効果的に推進するため、地域が行う自主的かつ自律的な取り組みについて財政・金融等の支援を「地方創生」として行っている。また経済社会の構造的改革を重点的に推進するために規制改革を行い、産業の国際競争力を強化し経済の成長性を高めていくこととしている。
 科学技術、イノベーション政策は重要な国家戦略であり、ユビキタスネットワーク社会へ向け情報通信技術の利活用は、医療・教育・雇用・行政・農業等幅広い分野で推進が期待されている。さらにインターネット、電子メール等の普及によってITへの依存度が高まり、「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」安心、安全に利用し快適に暮らせるユビキタスネット社会の実現を目指し、情報通信技術の進歩は、日本経済の発展を支える大きな原動力になっている。
 平成27年11月4日、日本郵政グループの持株会社である日本郵政株式会社、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命保険の3社は日本で初めて親子同時上場を行い、12月3日には、日本郵政株式会社は金融2社の株式売却益を使って自己株式取得を行った。
 平成24年4月に改正された郵政民営化法等改正法は、民営化に伴う効率性、収益性という側面と、ユニバーサルサービスの提供という公共的側面を含んでいる。今後、株主利益の最大化と効率化、改正法の趣旨である地域性、公共性が課せられた郵政事業、この二律背反的な命題をどのように克服することができるのか大きな経営課題である。郵便局ネットワークは、全国津々浦々に張り巡らされ有人窓口の特性を持ち、国民生活の重要な生活の拠点であるという認識の下、地域経済への活性化施策と住民生活の利便性を創出する新たなビジネスモデルが必要である。
 政府が保有している日本郵政株式会社の株式売却益の一部は、東日本大震災の復興債の償還財源として使われることになっている。今後、日本社会を取り巻く経済社会情勢が厳しくなることを想定し、郵便局ネットワークを維持・発展するため、過疎地の金融サービス支援策として日本郵政株式会社の株式売却益及び金融2社の株式売却益等の一部を社会・地域貢献基金のような積み立てができる制度も必要である。
 当法人としては、厳しい経営環境の下、制度設計のさらなる見直し、ICT技術を活用した郵便局サービスの新たな利活用など、さまざまな角度から検証しつつ、地域性や公共性が求められ、地域貢献施策を担う郵便局が、地域社会の中で住民の期待に応えられ、さらに三事業を中心とした新しいビジネスモデルを早急に構築できるよう提案をしていきたい。  今後、少子高齢化、過疎化が進む我が国で、都市部と地方部との格差是正を図るためにも、地域社会における有人窓口の特性を持つ郵便局の役割はますます増大をしていく。
 前期に引き続き、日本郵政グループの持つ潜在的な力、企業価値向上、郵便局ネットワークの在り方、郵政事業が発展するための新たな利活用等を調査・研究を行い、その成果を会員及び関係機関に開陳していきたい。

《今期の事業計画》


Ⅰ 機関誌 逓信『耀(かがやき)』の発行と編集方針について
・ 総務省の施策を中心として郵政事業・電気通信・放送分野等の今後の課題について。
・ 郵政民営化の現状と問題点、郵政改革全般について国会の先生方及び有識者等の意見を掲載。
・ 日本郵政株式会社(各事業会社)の経営戦略について。
・ 郵便局における新しいビジネスモデルの提案について。
・ 郵便局長の取材を通して郵便局の役割、地域密着型郵便局のあり方について。
・ 世界の郵政改革の現状と課題について。
・ 連載企画関係 *「シリーズ政策を問う!」*「霞が関からのレポート」  *「地方自治と郵政事業」*「郵政事業の課題と展望」*「郵便局における地域貢献活動の重要性」*「地域再生の経済学」*「ヒット商品と気づきの関係」等掲載。
・ 増刊号の発行について〔予定〕


Ⅱ セミナー・研修会の開催
・ 会員各位の多様な要望に応えるべく、郵政事業のみならず、電気通信、放送分野等についても当面の諸問題について勉強する。


Ⅲ 調査・研究会の開催
・ 郵政改革検証委員会の開催
郵政民営化の問題と課題について、さまざまな角度から検証を行う。

・ 新郵政事業ビジネスモデル調査研究委員会の開催
短期・中期的視点において、諸外国の郵政改革も参考にしながら、郵政事業の在り方を検証し、郵政グループ各社の成長戦略を考究する。

・ 未来の郵便局を考える研究会の開催
  長期的な視点で地域社会における郵便局の機能、役割、在り方等を検証する。


Ⅳ メール情報サービスおよびホームページの充実
・ 会員向けメール情報サービスのさらなる充実。さらに利用者の増大を図る。
・ 当法人のホームページのさらなる充実を図る。

V 公益目的事業
公1:「海外における情報通信及び郵政事業の変遷とわが国における情報通信及び郵政事業のあり方について」の調査研究事業
公2:ユニバーサルサービスに係る新ビジネスモデルの調査研究事業

特定寄付: 公益財団法人 通信文化協会

 本事業は公益性の観点から郵政事業の戦略的成長を調査研究し、その成果をホームページ等において、広く一般に還元する事業であり「地域社会の健全な発展」を目的とする事業である。


VI 相談窓口について
・ 各種セミナー、講演会等の講師派遣、会員等のさまざまな要望、照会に対応するための「相談窓口」の対応の充実。


VII その他
・国会情報等の各種資料集の作成。
・郵政事業に係る関係資料の作成。

 以上のように各種事業を通じて当法人の役割は、今後ますます増大し、そのためには正会員、賛助会員の拡大、増強を図り、活発な事業活動を展開していきたい。このような活動から発生する会費収入をはじめとする諸収入を源泉として、さらに有意義な研究活動を続けていき、社会に対する貢献度の高い法人を目指し、会員の皆様方のさらなるご協力を宜しくお願い申し上げます。