一般社団法人 通信研究会
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第47期(自 平成24年4月1日~至 平成25年3月31日)の決算にあたり、当社団の事業概況についてご報告申し上げます。
平成24年12月に行われた衆議院選挙では、民主党政権に対する厳しい批判と不満により自民党が大勝し、第二次安倍連立政権が発足した。安倍内閣は政権発足直後からデフレ脱却を掲げ経済財政諮問会議、規制改革会議を復活させ、日本経済再生本部、その下に産業競争力会議を設けるなどアベノミクス(三本の柱)といわれる「財政出動、金融緩和、成長戦略」に向けて取り組んでいる。安倍内閣の経済政策の期待感から円安、株高が続いている。株式市場は昨年末から年度末にかけ23%も上昇し、5年ぶりの高値水準となった。
輸出産業が業績を回復させてもすぐに所得が上がらない中、円安によりエネルギー価格が上昇しガス料金、電気料金などの公共料金が値上げされている。
引き続き財政再建、消費税増税、TPP参加、東日本大震災からの復興、原発再稼動などの諸問題、諸課題等は山積している。
郵政民営化法等の一部改正等の法律が、平成24年4月27日に可決、成立した。郵政改革法案の審議を経て、最終的には改正郵政民営化法となったが、3内閣6国会を経て郵政事業の一部見直しがなされた。
経営形態を5社体制から4社体制にして分社化の弊害を取り除き、経営効率が図れるようにした。郵便局会社を存続会社として、郵便事業会社を吸収合併し、商号を日本郵便株式会社に変更した。日本郵便株式会社は、公的な使命を持つ国の政策的関与の残る特殊会社である。金融2社は一般会社として業法で規制される。従来は郵便事業のみユニバーサルサービスが課せられていたが、改正法では郵貯、かんぽ生命の基本的なサービスにも郵便局窓口を通じてユニバーサルサービスを課すことが義務づけられた。また、郵政事業の実施にあたっては公益性及び地域性が十分に求められるようになったことは前進である。
昨年金融2社は、かんぽ生命は学資保険の改定、ゆうちょ銀行は住宅ローンの販売、法人貸付など政府に新規事業の認可申請を行った。郵政民営化委員会は郵政民営化法に照らし、かんぽ生命の学資保険の改定及びゆうちょ銀行の住宅ローン、法人貸付けなどは条件付で認可をしたが、金融庁は認可をしていない。日本郵政グループとしては当初、平成25年4月から新規商品の営業開始を予定していたが見送られた。郵便貯金、かんぽ生命の限度額規制はあいかわらず存在し、新規業務も認められない状況が続いている。一方、社会地域貢献基金は廃止をさせられ、ユニバーサルサービスを負担する財政的な課題が残ったまま、日本郵政株式会社に課されているのが現状である。
今後、日本郵便株式会社に統合したメリットをいかに国民・利用者に分かりやすく提供できるのか、例えば簡便な方法でサービスを受けられるようにする、「高齢者買い物支援サービス」「高齢者見回りサービス」「通帳預かりサービス」等の取り扱い郵便局数を増やすなど、統合メリットを国民、利用者が享受できるようなサービスアップに期待したい。
このような郵政事業を取り巻く状況の中、会員のニーズに応えるべく、機関誌『逓信 耀』の誌面をより一層充実させるため、毎月企画編集会議を開催し、焦点を明確にして全国各地に取材を行った。
編集方針については、総務省の施策を中心に日本郵政グループ各社の経営戦略を紹介。さらに改正郵政民営化法が日本郵政の経営にどのような影響を与えるのか、公益性と企業性が求められる郵政事業について、国会、有識者の先生方等によりさまざまな角度での検証を行い、その問題点と課題を浮き彫りにしてきた。また、郵便局長の皆様方にご協力いただき、インタビューや各種座談会等を通して、地域社会に貢献する郵便局の実像や今後の展望等について掲載することができ、また今期も逓信「耀」増刊号を発行することができた。
公益目的事業として行った「郵政事業の経営分析と企業価値評価」報告会を開催した。現在、経営環境が厳しい日本郵政グループの財務諸表分析と企業価値評価について、安全性リスク分析、日本郵政グループの経営シミュレーション等の報告を受け、その後質疑応答を行った。時宜を得た大変有意義な報告会で、経営分析の資料を関係機関に配布することができた。
郵政改革検証委員会は4回開催し、郵政改革に対してさまざまな角度から活発な議論を行い検証し、新たな郵便局ネットワークを活用したビジネスモデルを考究している。
全国各地に郵政民営化の問題、郵政改革の必要性について講師派遣等を行い会員のニーズに応えることができた。
≪報告会開催≫
郵政事業の経営分析と企業価値評価
郵政事業企業分析チーム
京都大学大学院経済学研究科教授 藤井秀樹先生他 5名
《調査・研究会》
郵政事業の経営分析と企業価値評価について
郵政事業企業分析チーム
京都大学大学院経済学研究科教授 藤井秀樹先生
海外における郵政事業の変遷と我が国における郵政事業のあり方について
関西学院大学経済学部教授 野村宗訓先生
亀井久興 | (社)逓信研究会会長 | |
委 員 | 福島 徳 | 産経新聞経済本部記者 |
同 | 野村宗訓 | 関西学院大学 産業研究所長 経済学部教授 |
同 | 三枝和洋 | 元関東地方郵便局長会会長 |
同 | 沼田憲男 | 沼田事務所 |
同 | 町田敏章 | 住信保証株式会社業務監査室長 |
同 | 藤澤久美 | ソフィア・バンク副代表 |
同 | 島﨑忠宏 | (社)逓信研究会事務局長 |
第4回 | 4月23日 | ・郵政民営化見直しの必要性について ・郵貯の在り方について |
第5回 | 5月28日 | ・郵政民営化法等の一部改正等について ・郵政民営化見直しの視点・郵政改革について |
第6回 | 6月21日 | ・郵政民営化見直しの必要性について ・郵政民営化見直しの視点 ・郵政民営化後の郵便局の状況 |
第7回 | 7月27日 | ・これからの郵便局について |
*改正郵政民営化法成立に至る国会論議
*郵政事業の経営分析と企業価値評価
2月号 霞が関からのレポート 「ダイジェスト版後編」
・地方自治と郵政事業 第8回~第14回
・インタビュー 前衆議院郵政改革に関する特別委員会委員長赤松広隆先生
同 前総務大臣 川端達夫先生
対 談 衆議院議員城内実先生&拓殖大学客員教授関岡英之先生
新春特別対談 YRPユビキタス・ネットワーキング研究所 坂村 健所長
社団法人逓信研究会 亀井久興会長
・NPО法人「森は海の恋人」(宮城県気仙沼市)
・逓信「耀」:関東県の地方議会事務局の図書室へ寄贈
1月号 | 日本のあるべき姿 ―科学技術の進歩が明日の日本社会、経済にどのような影響を与えるのかー
YRPユビキタス・ネットワーキング研究所所長 坂村 健先生 社団法人逓信研究会 会長 亀井久興先生 |
6月号 | 第30回 前衆議院郵政改革に関する特別委員会委員長 赤松広隆先生に聞く! 郵政民営化法等の一部改正法等の成立への思い |
12月号 | 前総務大臣 衆議院議員 川端達夫先生に聞く! 改正民営化法を活かし、経営努力、地域貢献を 郵政事業は存続そのものが社会貢献 |
3月号 | 衆議院議員 小泉龍司先生に聞く! 日本社会の動向と郵政が進むべき道を探る |
8月号 | 全国郵便局長会 黒田敏博会長 守るべきもの、改めて進む勇気 「温故改進」で新たな展望を切り開く |
8月号 | 12月号 TPP参加への警鐘(上)アメリカの思惑で日本が、郵政が壊される 1月号 同 (下) 衆議院議員 城内 実先生 拓殖大学客員教授 関岡英之先生 |
政治評論家 森田 実
9月号 | どうなる日本の政治 (上) |
10月号 | 同 (下) |
11月号 | 自民党政権復帰後の日本の政治・経済の動向 (上) |
12月号 | 同 (下) |
9月号 | 第7回 明治大学大学院教授 青山 佾先生 地域貢献活動への期待 |
4月号 | 郵政改革を巡る課題と展望について (下) 東洋大学経営学部教授 石井晴夫先生 中央大学経済学部教授 塩見英治先生 京都大学大学院経済学研究科教授 藤井秀樹先生 |
産経新聞経済部記者 福島 徳
4月号 | 公明党による郵政民営化法改正案について |
5月号 | 三事業一体も金融の一律サービスも担保されない見直し法案 |
6月号 | 根本解決にはほど遠い見直し法 |
7月号 | 新たな局面を迎えた郵政事業 |
8月号 | 統合後も地域の期待に応える郵便局を |
9月号 | 公的使命をもつ郵政事業だからこそ政治との関りを |
10月号 | さらなる改正法も視野に政治との関わりを |
11月号 | 公的使命をもって、政治とも積極的な関わりを |
12月号 | 郵政問題の解決は政治の責任で |
1月号 | 公に奉仕することこそ局長の使命 |
2月号 | 政権交代で復活した郵政民営化推進の布陣 |
3月号 | 大きく変化した郵政をめぐる政治状況 |
作家 童門冬二
4月号 | 復興は心の絆づくりから 二宮金次郎(1) |
5月号 | 絆の元は信頼だ 同 (2) |
6月号 | 報徳仕法 同 (3) |
7月号 | 運命は自分でつくれ 同 (4) |
8月号 | 江戸時代の中央政治と地方行政 松平定信 (1) |
9月号 | 就任早々大災害に 同 (2) |
10月号 | 老人の会を設ける 同 (3) |
11月号 | 老人の宝石とは何か 同 (4) |
12月号 | 人口横ばいの原因 同 (5) |
1月号 | 悪習を絶つ方策 同 (6) |
2月号 | 日本最初の国立公園 同 (7) |
3月号 | 世論が定信を首相にする 同 (8) |
東京国際大学学長 田尻嗣夫
4月号 | 現実無視の民業圧迫論を脱した改革を |
5月号 | 郵政民営化法改正で国民は何を得たのか |
6月号 | 「範囲の経済」を活かす郵便事業の再生戦略 |
7月号 | 企業価値か、三事業のユニバーサルサービス維持か |
8月号 | 巨大化批判をかわす戦略 手段の自己目的化を阻む経営指揮 |
9月号 | 「日本郵便」は金融2社より高い理念と行動基準を |
10月号 | 金融庁は郵政事業の将来を握る自覚を |
11月号 | 顔の見えない集団主義と庶民感覚に疎い組織体質の改革を |
12月号 | 日本郵政の東証上場で問われる戦略思考 |
1月号 | 債券・株価が左右する収益改善へ |
2月号 | 世情と監督当局の風向きを読む感性を |
3月号 | ユニバーサルサービスの担保責任は誰にあるのか |
ポスタルレポーター 星野興爾
4月号~3月号 | ≪世界【郵便】短信≫ 1回~12回 |
ジャーナリスト 東谷 暁
4月号 | 妥協的な改正案は改革を無にする |
5月号 | いまこそTPPと対決すべき時だ |
6月号 | 郵政への「国家資本主義」批判の倒錯 |
7月号 | アメリカ通商代表部の呆れた内政干渉 |
8月号 | 国家戦略会議の「金融と流通の分離」 |
9月号 | 米通商代表部TPP交渉への国内批判 |
10月号 | ロムニー大統領誕生後のTPP |
11月号 | 郵政グループの「地域貢献」とは何か |
12月号 | オバマ再選後のかんぽ生命への圧力 |
1月号 | 電力の発送分離は自由市場化の戯画 |
2月号 | 安倍政権に潜在する構造改革路線 |
3月号 | TPP参加は構造改革への「先祖返り」 |
5月号 | 復旧・復興への道のり (上) 前東北地方郵便局長会会長 八重樫 信 |
6月号 | 同 (下) 前東北地方郵便局長会会長 八重樫 信 |
東洋大学大学院経営学研究科教授 石井晴夫先生
1月号 | 郵政民営化に伴う郵政事業の課題―新たな組織マネージメントの必要性 |
2月号 | ビジョン2021に基づく経営理念の浸透―日本郵政グループにおける競争力と組織能力 |
3月号 | 経営の多角化は企業グループ成長の基本―経営環境の変化に伴うドメインの多様化 |
4月号 | 愛知県西三河地区会―河合郵便局長、岡崎駅前郵便局長、豊田堤郵便局長、岡崎明大寺郵便局長 |
5月号 | 静岡県東駿河地区会-裾野岩波郵便局長、猪之頭郵便局長、御殿場上町郵便局長、柚野郵便局長 |
6月号 | 神奈川県神奈川西部地区会―小田原城山郵便局長、箱根強羅郵便局長、曾我郵便局長、小田原浜町郵便局長、下中郵便局長、東秦野郵便局長、平塚横内郵便局長 |
7月号 | 茨城県東部地区会―小桜郵便局長、あずま伊崎郵便局長、要郵便局長 |
8月号 | 青森県青森西部地区会―弘前松ヶ枝郵便局長、胡桃館郵便局長、木造郵便局長、弘前浜ノ町郵便局長、深浦郵便局長、鬼沢郵便局長 |
9月号 | 山形県庄内地区会―北平田郵便局長、山添郵便局長、鶴岡道形町郵便局長、朝日郵便局長、藤崎郵便局長、酒田松原郵便局長、余目郵便局長 |
10月号 | 富山県呉西地区会―高岡芳野郵便局長、石動中央町郵便局長、女良郵便局長、高波郵便局長、高岡駅前郵便局長、作道郵便局長、高岡いわせの郵便局長 |
11月号 | 長野県北信地区会―高府郵便局長、浅川郵便局長、三本柳郵便局長、大豆島郵便局長、豊栄郵便局長、三水郵便局長、小布施郵便局長 |
12月号 | 島根県出雲西地区会―出雲中央通郵便局長、幡屋郵便局長、出雲大津郵便局長、三沢郵便局長、大社遥堪郵便局長、鳥上郵便局長 |
1月号 | 徳島県西部地区会―三加茂郵便局長、八千代郵便局長、鴨島本町郵便局長、西庄郵便局長、脇町郵便局長、川島郵便局長、八幡郵便局長 |
1月号 | 広島県芸北地区会―雄鹿原郵便局長、広島祇園原郵便局長、丹比郵便局長、吉和郵便局長、口田郵便局長 |
2月号 | 奈良県南和地区会―五條田園郵便局長、大滝郵便局長、風屋郵便局長、六田郵便局長、折立郵便局長、上北山西原郵便局長、黒滝郵便局長、五條二見郵便局長 |
2月号 | 鹿児島県中部地区会―伊敷郵便局長、鹿児島日当平郵便局長、鹿児島永吉郵便局長、鹿児島真砂本町郵便局長、鹿児島清見郵便局長、鹿児島山田郵便局長、鹿児島西郷団地郵便局長 |
3月号 | 北海道札幌東部地区会-札幌森林公園駅前郵便局長、白石南郷一郵便局長、厚別ひばりが丘郵便局長、札幌藤が丘郵便局長、厚別郵便局長、札幌北十八条郵便局長、定山渓郵便局長、水車町郵便局長 |
3月号 | 熊本県北部地区会―横島郵便局長、室郵便局長、千田郵便局長、鍋郵便局長、玉名大倉郵便局長、上須屋郵便局長、大原郵便局長 |
5月号 | 郵政民営化法(現行)、郵政改革法案、改正郵政民営化法比較 |
7月号 | 郵政民営化法等の一部を改正する等の法律 新旧対照条文 (1) |
8月号 | 同 (2) |
以上、多方面に活動してきました。