一般社団法人 通信研究会
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第46期(自 平成23年4月1日~至 平成24年3月31日)の決算にあたり、当社団の事業概況についてご報告申し上げます。
平成23年3月11日三陸沖を震源とする国内最大の巨大地震と津波が発生し、死者、行方不明者は約2万人に達し、さらに東京電力福島第一原子力発電所での原発事故により約11万人が避難するなど未曾有の大災害が発生した。この東日本大震災に国内外から大きな支援が寄せられた。
リーマンショック後の急速な景気悪化からの持ち直し局面のとき、今回の大震災により生産拠点の多くが東北地方に存在するサプライチェーンの寸断や電力供給の制約、原子力災害を通じ被災地域以外にも経済的影響を及ぼし景気全体に悪影響が見られた。
郵政グループ各社の被害も郵便局会社20名、日本郵政グループ全体で59名が死亡又は行方不明になり、局舎の全壊、半壊等527の郵便局が被害を受け、さらに原発避難局が20局など郵政事業にも多大な被害をもたらした。
小泉政権で進められた郵政民営化を抜本的に見直す「郵政改革法案」は、平成24年3月30日に取り下げられ、郵政民営化法等の一部改正案が民主党、公明党、自民党により国会に提出された。
郵政改革法案の基本理念は「国民の権利として郵政事業に係る基本的な役務を利用者本位の簡便な方法で郵便局で一体的に利用できるようにし、将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることを確保し、並びに国民共有の財産として築き上げられた郵便局ネットワークの活用、その他の郵政事業の公益性と地域性が十分に発揮されるための措置を講じる」と地域経済との連携に配慮しつつ、豊かで住みよい地域社会の実現に寄与することを基本とした。
平成23年通常国会において郵政改革に関する特別委員会が設置された。しかし実質的な審議は行われず、秋の臨時国会においても、関係する4人の閣僚の趣旨説明のみ行われ、またもや本格的な審議入りはできなかった。そこで、3党6者による実務者協議会が水面下で協議を重ね、平成24年1月20日に論点を整理されたものが報告された。2月22日公明党は独自の「郵政民営化法等の一部改正案」を提出。民主党も概ね了承し、自民党も公明党案を軸に調整が進められた。その結果3月30日に「郵政民営化法等の一部を改正する等の法律案」が民主党、公明党、自民党により提出された。
平成19年10月1日に郵政事業が民営・分社化され4年と6か月が過ぎたが、民営・分社化の影響により、日本郵政グループの収益構造が依然として厳しい状況におかれていることもあり、早期に郵政民営化法を見直し、郵政改革を行い、経営の建て直しが求められていた。
このような郵政事業を取り巻く状況の中、会員のニーズに応えるべく、機関誌『逓信 耀』の誌面をより一層充実させるため、毎月企画編集会議を開催し、焦点を明確にして全国各地に取材を行った。
編集方針については、総務省の施策を中心に日本郵政グループ各社の経営戦略を紹介。さらに郵政改革法案成立に向けた様々な動向、郵政改革関係政策会議等、公益性と企業性が求められる郵政事業について、国会、有識者の先生方等によりさまざまな角度での検証を行い、その問題点と課題を浮き彫りにしてきた。また、郵便局長の皆様方にご協力いただき、インタビューや各種座談会等を通して、地域社会に貢献する郵便局の実像や今後の展望等について掲載することができ、また今期も逓信「耀」増刊号を発行することができた。
「郵政事業の経営分析の成果」報告会を開催した。現在、経営環境が厳しい日本郵政グループの財務諸表分析と企業価値評価について、安全性リスク分析、日本郵政グループの経営シミュレーション等の報告を受け、その後質疑応答を行った。時宜を得た大変有意義な報告会で、経営分析の資料を関係機関に配布することができた。
新郵政事業ビジネスモデル調査研究委員会は5回開催、郵政民営化の現状と課題、郵政改革法案、さらに日本郵政グループの経営状況について、各委員より貴重な意見を伺い、資料集を作成しその成果を開陳した。
郵政改革検証委員会は3回開催し、郵政改革に対してさまざまな角度から活発な議論を行い検証し、新たな郵便局ネットワークを活用したビジネスモデルを考究している。
全国各地で郵政民営化の問題、郵政改革の必要性について講師派遣等を行い会員のニーズに応えることができた。
≪セミナー開催≫
郵政事業の経営分析の成果について
京都大学大学院経済学研究科教授 藤井秀樹先生他 5名
≪寄付・寄贈≫
亀井久興 | (社)通信研究会会長 | |
委員長 | 石井晴夫 | 東洋大学経営学部教授 |
委員 | 塩見英治 | 中央大学経済学部教授 |
藤井秀樹 | 京都大学大学院経済学研究科教授 | |
岩波美智子 | 株式会社双日総合研究所アナリスト | |
荻野崇浩 | 東洋大学大学院経営学研究科前期課程 | |
第6回 | 4月21日 | 郵政改革法案の内容と国会における審議状況 |
第7回 | 5月26日 | 郵政改革法案の概要と国会論議について |
第8回 | 6月30日 | 日本郵政グループ平成23年3月期決算の分析から経営の問題点と今後の課題等について |
第9回 | 9月30日 | 危機対応による事業継続とサプライチェーン |
第10回 | 11月21日 | 日本郵政グループ中間決算について 郵政改革法案の進捗状況について 震災復興財源とJP株式売却について TPPと郵政事業について |
第11回 | 平成24年1月27日 | 座談会 逓信「耀」3月号、4月号 |
亀井久興 | (社)通信研究会会長 | |
委員長 | 福島 徳 | 産経新聞経済本部記者 |
委員 | 野村宗訓 | 関西学院大学 産業研究所長 経済学部教授 |
三枝和洋 | 前郵政政策研究会専務理事 | |
沼田憲男 | 沼田事務所 | |
町田敏章 | 住信保証株式会社業務監査室長 | |
藤澤久美 | ソフィア・バンク副代表 | |
島崎忠宏 | (社)通信研究会事務局長 | |
第1回 | 1月19日 | 郵政民営化見直しの必要性について 21世紀の郵政の在り方についてのメモ |
第2回 | 2月2日 | 郵政民営化後の郵便局を取り巻く状況について 郵政改革について 郵便局の現場業務について |
第3回 | 3月21日 | 郵政民営化の問題点と郵政改革法案について イギリスにおける郵政事業の実態と課題 地域ブランドシステムと郵便局事業について |
*郵政改革を問う
郵政関係国会議員及び市町村長の取材を中心にした郵政民営化見直しについて
*郵便局の地域活性化策 -今郵便局に求められているもの
*郵政事業の経営分析の成果報告書
*新郵政事業ビジネスモデル調査研究報告書
2月号 ~郵政改革の深層を探る~
3月号 ~地方自治と郵政事業~
1月号・2月号 | 日本の伝統文化を守る ―郵政改革、政治経済を語る― 〔上〕〔下〕 国民新党最高顧問 綿貫民輔先生 国民新党顧問(社)通信研究会会長 亀井久興先生 |
4月号 | 第22回 衆議院議員 重野安正先生に聞く 郵政改革法案「なんとしても今国会で」 |
5月号 | 第23回 衆議院議員 荒井 聰先生に聞く 地域と共に成長する郵政、公益性の復活に期待 |
6月号 | 第24回 民主党総務部門会議 郵政改革法WT座長 参議院議員 藤末健三総務委員長に聞く 郵政改革 利用者の声、視点を大事に改革法案は党派を問わず、きちんと論議 |
8月号 | 第25回 総務大臣政務官 参議院議員 森田 高先生に聞く 郵政改革法案成立に向け 燃え尽きる覚悟で |
10月号 | 第26回 社民党政策審議会会長 衆議院議員 阿部知子先生に聞く 郵便局を地域再生のための金融機関に |
11月号 | 第27回 郵政改革・金融担当大臣 参議院議員自見庄三郎先生に聞く 郵政改革法案成立へ 与野党問わず修正含め建設的な論議を |
1月号 | 第28回 郵政改革特別委員長 衆議院議員 赤松広隆先生に聞く 郵便局は信頼の砦 安心の拠点 |
3月号 | 第29回 衆議院議員奥野総一郎先生に聞く 郵政改革 与野党協議の論点 |
8月号 | 参議院総務委員長 藤末健三先生 郵政改革法案成立への道筋 与野党の協力が不可欠 |
9月号 | 国民新党顧問 (社)通信研究会会長 亀井久興先生 郵政改革法案成立を目指しつつ 今後の対応について―第177回国会を振り返って |
10月号 | 国土交通大臣政務官 衆議院議員 津島恭一先生 郵政改革特別委員会を振り返って |
政治評論家 森田 実
10月号 | 野田新内閣における政策課題と郵政民営化見直しの方向性 (上) |
11月号 | 同 (中) |
12月号 | 同 (下) |
5月号 | 第4回 中央大学経済学部教授 塩見英治先生 地域コミュニティーのために、行政と郵便局との連携の一層の強化を |
6月号 | 第5回 京都大学大学院経済学研究科教授 藤井秀樹先生 郵便局は地域と経済・社会システムの接点にある“ふれ・あい”の場 |
2月号 | 第6回 (株)日本総合研究所創発戦略センター石田直美先生 高齢化の中での地域社会の役割 |
8月号(上) 9月号(下) |
東洋大学経営学部教授 石井晴夫先生 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授 滝沢 智先生 |
3月号 | 郵政改革を巡る課題と展望について 東洋大学経営学部教授 石井晴夫先生 中央大学経済学部教授 塩見英治先生 京都大学大学院経済学研究科教授 藤井秀樹先生 |
産経新聞経済部記者 福島 徳
4月号 | 震災に直面して郵政の重要性の再認識を |
5月号 | 求められる一日も早い郵政改革法案の成立を |
6月号 | 今国会で何としても郵政改革法案の成立を |
7月号 | 郵政改革法案への取組みで問われる政権の真価 |
8月号 | 政権の正当性を問われる郵政改革法案への取組み |
9月号 | 民主党は政権交代時の原点に回帰を |
10月号 | 新政権に求められる郵政改革法案成立に向けた知恵 |
11月号 | 郵政改革法案成立に向け、真価問われる野田政権 |
12月号 | 今臨時国会でなんとしても郵政改革法案成立を |
1月号 | 通常国会での郵政民営化見直し実現を |
2月号 | 原点に返って郵政改革の実現を |
3月号 | 小手先の郵政民営化法修正ではなく、郵政改革法案の成立を |
作家 童門冬二
4月号 | フレックスタイムを創始 武田信玄 |
5月号 | 志は高くもとう 明智光秀 |
6月号 | 拠点名は理想のシンボルだ 織田信長(1) |
7月号 | 幸福の風を日本各地に 織田信長(2) |
8月号 | 情報停滞を解除 織田信長(3) |
9月号 | 良貨で悪貨を駆逐しよう 織田信長(4) |
10月号 | 光秀はなぜ信長をころしたのか 織田信長(5) |
11月号 | 恥を捨ててのギアチェンジ 伊達政宗(1) |
12月号 | 消えない東北自治精神 伊達政宗(2) |
1月号 | 毛利元就のカラカサ連合 毛利元就 |
2月号 | すぐわかりましたというな 小早川隆景(1) |
3月号 | 折られた一本の矢が家を救う 小早川隆景(2) |
東京国際大学学長 田尻嗣夫
4月号 | 日本郵政グループも 隙間ビジネスを掴む努力を |
5月号 | 復興需要を日本郵政の成長エネルギーに |
6月号 | 大震災で危機にある「心のネットワーク」の再興を |
7月号 | 郵政三事業のサービスを一括こなせる総合坦務制の導入を |
8月号 | 政局混迷の被害者意識に囚われるな 国民との意識距離を縮める努力を |
9月号 | 下請け機関化した郵便局に新しいビジネスモデルを |
10月号 | 地域社会の政策課題解決へ ソーシャルビジネスに成長機会を探れ |
11月号 | 財源調達の方便であってはならない郵政株式売却 庶民に株主権も行使させる資本政策を |
12月号 | 国の出資比率引き下げ余地はある 資本政策技術に立脚した与野党協議を |
1月号 | 危機感煽るより国民に支持されるビジョンを示せ |
2月号 | 人の心が郵便局から離れていく現実を見落とすな |
3月号 | 郵便・郵便局の統合会社の傘下に郵貯・簡保を |
ポスタルレポーター 星野興爾
4月号 | 視点―郵便と郵貯銀行 フランス・ラポスト(上) |
5月号 | 視点―郵便と郵貯銀行 フランス・ラポスト(下) |
6月号 | 視点―郵便と郵貯銀行 英国・ロイヤルメール篇〔上〕 |
7月号 | 視点―郵便と郵貯銀行 英国・ロイヤルメール篇〔下〕 |
8月号 | 視点―郵便と郵貯銀行 英国篇〔Ⅱ〕 |
9月号 | 視点―郵便と郵貯銀行 英国篇〔Ⅲ〕 | 11月号 | 視点―郵便と郵貯銀行 アメリカの郵便危機を読む(前篇) |
12月号 | 視点―郵便と郵貯銀行 アメリカの郵便危機を読む(後編) |
1月号 | 視点―郵便と郵貯銀行 漂流するアメリカの郵便(前篇) |
2月号 | 視点―郵便と郵貯銀行 漂流するアメリカの郵便(後編) |
3月号 | 視点―郵便と郵貯銀行 漂流するアメリカの郵便(最終回) |
ジャーナリスト 東谷 暁
4月号 | アメリカが狙うのは農協の「共済」 |
5月号 | 大震災の混乱に乗じた電力分離論 |
6月号 | ドイツの電力政策はお手本にならない |
7月号 | 大震災で活気づく至上主義者たち |
8月号 | 東電解体で笑うのは誰なのか |
9月号 | 東北「特区」政策は復興を阻害する |
10月号 | TPPの結果を米韓FTAで読む |
11月号 | TPPのISD条項は主権を侵害する |
12月号 | TPP交渉で浮上した郵貯と簡保 |
1月号 | 医療の市場化を実験する復興特区法 |
2月号 | 郵政民営化とTPPの密接な関係 |
3月号 | 郵政民営化とTPPは「金融」の論理 |
5月号 | 問われている21世紀の国土計画 NPО日本防災士会 橋本茂 |
11月号 | コミュニティ・ショップの可能性 関西学院大学 産業研究所長 経済学部教授 野村宗訓 |
6月号 | 千葉県千葉南部地区会ー木更津真舟郵便局長、富津更和郵便局長、久留里郵便局長、木更津幸町郵便局長、東条郵便局長、七浦郵便局長 |
8月号 | 鳥取県伯耆地区会―米子彦名郵便局長、米子天神郵便局長、赤崎郵便局長 |
10月号 | 新潟県佐渡地区会―和木郵便局長、畑野郵便局長、新穂郵便局長、水津郵便局長、沢和田郵便局長 |
11月号 | 福井県中部地区会―鷹巣郵便局長、北新庄郵便局長、武生塚町郵便局長、福井志比口郵便局長、福井田原町郵便局長 |
11月号 | 東京多摩南地区会-八王子並木町郵便局長、南郵便局長、八王子明神町郵便局長、日野台郵便局長、町田金森郵便局長 |
12月号 | 香川県東部地区会―高松仏生山郵便局長・香川郵便局長・高松鬼無郵便局長・川島郵便局長・高松香西郵便局長 |
1月号 | 熊本県南部地区会―宇土駅前郵便局長・東砥用郵便局長・守冨郵便局長・八代旭中央通郵便局長・多良木郵便局長 |
1月号 | 北海道上川地区会―旭川北郵便局長、永山郵便局長、旭川緑南郵便局長、旭川北門郵便局長、東旭川郵便局長 |
2月号 | 北海道南空知地区会―南長沼郵便局長・浦臼郵便局長・長沼郵便局長・栗沢郵便局長・岩見沢三条中郵便局長 |
2月号 | 大阪市北部地区会―城東蒲生郵便局長、旭千林郵便局長、東淀川大桐郵便局長、淀川三国本町郵便局長、東淀川井高野郵便局長、淀川加島郵便局長、大阪京橋郵便局長、大阪鶴見郵便局長 |
3月号 | 和歌山県紀央地区会―湯浅栖原郵便局長、丹生郵便局長、吉備郵便局長、中津郵便局長、崎ノ原郵便局長、美浜松原郵便局長、有田初島郵便局長 |
4月号 | 鹿児島県 奄美大島地区会会長 前宇検郵便局長 |
7月号 | 広島県 芸南地区会会長 広島上瀬野郵便局長 |
7月号 | 岩手県南部地区会会長 一関台町郵便局長 |
9月号 | 宮城県東部地区会会長 陸前豊里郵便局長、志津川郵便局長 |
SUN Prоject推進で成果。検査・監査漏れの点検方法を統一:品川南大井郵便局長、目黒南三郵便局長、滝野川郵便局長、板橋東新町郵便局長、東品川一郵便局長、江戸川中央四郵便局長、日野旭が丘郵便局長、杉並松ノ木郵便局長 |
4月号 | 第1回 秋田県 松田知己美郷町長 |
6月号 | 第2回 群馬県 茂原荘一甘楽町長 |
8月号 | 第3回 長野県 島田茂樹栄村長 |
9月号 | 第4回 岡山県 伊東香織倉敷市長 |
10月号 | 第5回 新潟県 髙野宏一郎佐渡市長 |
12月号 | 第6回 新潟県 井口一郎南魚沼市長 |
2月号 | 第7回 長野県 田上正男上松町長 |
以上、総務省の補完的役割をすべく多方面に活動してきました。