一般社団法人 通信研究会
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第40期(自平成17年4月1日~至平成18年3月31日)の決算にあたり、当社団の事業概況についてご報告申し上げます。平成17年度は、郵政民営化を巡り最大の攻防があった年である。与党自民党では郵政事業に関する関係合同部会を30数回開催し、また総務会においても全会一致という従来の慣例を無視し、多数決という曖昧さの残る決め方であった。4月27日郵政民営化法案は、国会に提出。5月26日衆議院郵政民営化特別委員会で審議入りし、審議時間も百時間を越えてもなお、なぜ、今民営化なのか、改革を急ぐ必要があるのか等明確な答えが出ないまま、7月5日衆議院本会議において白票(賛成票)233票、青票(反対票)228票のわずか5票差で可決。自民党から51人もの議員が反対・棄権に回った。参議院においても郵政民営化特別委員会で審議され、8月8日の参議院本会議では、白票108票、青票125票の大差で民営化法案は否決された。小泉内閣はこの結果を受けて、郵政民営化の賛否を国民に問うとして、即座に衆議院の解散を断行し、9月11日総選挙の結果、自公連立与党が過半数を確保したことから10月14日の特別国会、参議院本会議にて郵政民営化関連六法案は可決・成立することになった。
10月31日小泉改造内閣が発足し、政府は11月11日、日本郵政株式会社の初代社長に三井住友銀行前頭取で特別顧問の西川善文氏を内定し、なお日本郵政株式会社(準備企画会社)の取締役で構成する経営委員会《公社の資産・人員配分等の承継計画を策定し、また民営化後の経営戦略(新規業務等)を策定(最大7名)》の委員長も努めることになる。11月15日郵政民営化に基づく郵政民営化推進本部を設置。12月16日には、郵政民営化委員会委員を内定(委員は有識者5名とし、任期は3年)。民営化委員会は、3年毎に承継会社の経営状況及び国際金融市場の動向、その他内外の社会・経済情勢の変化を勘案しつつ、郵政民営化の進捗状況について総合的な見直し(経営形態含む)を行い、その結果に基づき本部長(総理大臣)に意見を述べ、また国際物流事業の進出について意見を述べるということになっている。
平成18年1月23日、持株会社である日本郵政株式会社が発足した。このように郵政民営化法が成立したことを受け、郵政事業の経営形態は民営化に向けて動きだしたところである。日本郵政株式会社は、日本郵政グループ(郵便事業株式会社・郵便局株式会社、郵便貯金銀行、郵便保険会社)の持株会社としてグループを代表し、株主(政府)などの関係者に対してグループ全体としての責任を負う。 また、グループ戦略を立案し一体的な経営を行うことにより、各事業子会社の維持・発展を図るとともにシナジー効果を高め、グループ全体としての企業価値を高めるものと思われる。このような状況の中、会員のニーズに応えるべく、機関誌逓信『耀』をより一層充実させるため、毎月編集会議を開催した。
編集方針も総務省の施策、日本郵政公社及び特定郵便局長会のタイムリーな動向、及び衆・参両院の郵政民営化に関する特別委員会、郵政民営化法案を詳細に紹介し、郵政民営化論議については関係する国会議員・有識者の先生方に取材等を通して協力いただいた。
近代の英傑 前島 密―その生涯と足跡―については6年余にもおよぶ長期連載として最終回(70回)を迎えることができ、さらに修正・加筆を経てまとめあげた『近代の英傑 前島 密(上巻)』を発行することができた。
4月号 | 郵政民営化論議 視点・論点II 衆議院議員 村井 仁 いま、なぜ「郵政民営化」―ジリ貧の郵政事業だから「第二の国鉄」を避けるため民営化? |
5月号 | 郵政民営化論議 視点・論点III 衆議院議員 村井 仁 ますます困難になってきた政府との調整・・・ |
5月号 | 国家・国民のために郵政民営化阻止に不退転 衆議院議員 綿貫民輔 |
4月号 | 国民と国益の安全保障からの郵政改革(2) 参議院議員 荒井広幸 |
5月号 | 国民と国益の安全保障からの郵政改革(3) 参議院議員 荒井広幸 |
6月号 | 理にかなわぬ郵政民営化法案 衆議院議員 山口俊一 |
10月号 | 首都・東京の郵政事業 伊藤高夫東京支社長 |
菰田義憲 | 日本郵政公社労働組合(JPU)委員長 |
宮下 彰 | 全日本郵政労働組合委員長 |
石井晴夫 | 作新学院大学教授(郵便局ファンの会副会長) |
郵政事業に関する労組政策協議会の取り組みについて(上)(下) |
4月号 | 説明責任は果たされたか? 北海道大学大学院文学研究科教授 金子 勇 |
7月号 | 郵政民営化に関する特別委員会の審議内容と政府答弁の曖昧性(Ⅰ) 東海大学政治経済学部教授 立原 繁 |
8月号 | 郵政民営化に関する特別委員会の審議内容と政府答弁の曖昧性(Ⅱ) 東海大学政治経済学部教授 立原 繁 |
9月号 | 郵政民営化に関する特別委員会の審議内容と政府答弁の曖昧性(Ⅲ) 東海大学政治経済学部教授 立原 繁 |
8月号 | 改めて郵政民営化の問題点を正す 作新学院大学総合政策学部教授 石井晴夫 ―衆議院郵政民営化特別委員会(7月4日)の参考人意見陳述を中心として |
8月号 | ユニバーサル・サービス維持の視点から考える郵政民営化の問題点(上) 学習院大学経済学部講師 武井孝介 |
9月号 | ユニバーサル・サービス維持の視点から考える郵政民営化の問題点(下) 学習院大学経済学部講師 武井孝介 |
「小泉構造改革と郵政民営化」 (株)UFJ総合研究所主任研究員 森永卓郎 |
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10月号 | 勝った負けたではない「構造改革」 北海道大学大学院文学研究科教授 金子 勇 |
11月号 | 郵政民営化は終止符ではない 郵便局ファンの会会長明治大学元学長 岡野加穂留 |
格差拡大の可能性大 京都大学教授 橘木俊詔 |
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12月号 | 「改革」騒動に押し流された郵政民営化の意味 京都大学教授 佐伯啓思 |
2月号 | コミュニティー・ビジネスの展開による地域密着型経営の推進 (上) 作新学院大学総合政策学部教授 石井晴夫 |
3月号 | コミュニティー・ビジネスの展開による地域密着型経営の推進 (中) 作新学院大学総合政策学部教授 石井晴夫 |
ライフプラン学習支援研究所 代表 鈴木啓三
10月号 | 第1回 ≪ライフプランとは≫ |
11月号 | 第2回 ≪健康プラン≫ |
12月号 | 第3回 ≪経済プラン≫ |
1月号 | 第4回 ≪生きがいプラン≫ |
2月号 | 第5回 ≪生きがいプラン2≫ |
3月号 | 第6回 ≪ライフプランの作成≫ |
ポスタルレポーター 星野興爾
11月号 | 第1回 民営化とポストバンク |
12月号 | 第2回 ベトナムの郵便貯金 |
1月号 | 第3回 郵便貯金は世界ネットワーク |
2月号 | 第4回 フランスの郵便局とポストバンク |
3月号 | 第5回 イタリアの郵便局とポスタル・ファイナンス |
11月号・12月号 | ジャーナリスト 東谷 暁 |
2月号・3月号 | ジャーナリスト 東谷 暁 |
防災士研修センター常務理事 橋本 茂
12月号 | 第1回 危険な半世紀! 防災士とは |
1月号 | 第2回 事前対策が命を救う! |
2月号 | 第3回 地震防災の誤った常識 |
3月号 | 第4回 阪神・淡路大震災「記念日」に思う |
近代の英傑 前島 密 4月号~9月号(70回最終回) 小林正義
地域に貢献する郵便局ネットワークの活用として全国でさまざまに活躍されている郵便局を取材を通して紹介した。
回 | 郵便局 | 回 | 郵便局 |
1 | 千葉県茂原東郷郵便局 | 7 | 福岡県芦屋山鹿郵便局 |
2 | 福島県東山郵便局 | 8 | 大分県大分富士見郵便局 |
3 | 秋田県西馬音内郵便局 | 9 | 長野県牟礼郵便局 |
4 | 高知県名野川郵便局 | 10 | 北海道三石郵便局 |
5 | 富山県久目郵便局 | 11 | 東京中野弥生郵便局 |
6 | 鳥取県散岐郵便局 青谷勝部郵便局 |
12 | 愛知県名古屋熱田神宮西郵便局 |
全国各地で郵政事業に携わる関係者から取材を通して幅広く郵政三事業をPRすることができた。
6月号 | 政府が主張する郵政民営化メリットの誤り |
9月号 | 国会審議における郵政民営化法案の問題点の検証 |
10月号 | 民営化の実像~民営化神話の崩壊~ |
郵政事業フォーラム21は、平成11年に発足し、今期も会員からの開催要望が強くあり、下記の通り2回開催した。
第24回 平成17年11月29日(火) | |
場 所 | 霞ヶ関東海大学校友会館 |
テーマ | 『郵政民営化関連法案の概要について』 |
講 師 | 石井晴夫先生(作新学院大学総合政策学部教授) |
第25回 平成18年 3月30日(木) | |
場 所 | 霞ヶ関東海大学校友会館 |
テーマ | 『生活者の視点に立った民営化後の郵政会社の在り方について』 |
講 師 | 滝川好夫先生(神戸大学大学院経済学研究科教授) |
以上、総務省の補完的役割をすべく多方面に活動して参りました。